会計ソフトに、案件管理、入金予定、問い合わせメモ、資金繰り、作業待ちまで全部入れようとすると、かえって使いにくくなることがあります。
会計ソフトは帳簿の正本として強く、Excelや業務メモは別の役割に向きます。
まず「正本」を決める
たとえば、
会計の正本:会計ソフト
請求の正本:請求管理表
銀行入金:銀行明細
証憑の正本:保存フォルダ
のように、何を見れば確定情報かを決めます。
会計ソフトには会計に必要な情報を集める
会計ソフトでは、
- 取引日
- 勘定科目
- 金額
- 取引先
- 税区分
- 摘要
- 売掛・買掛
- 固定資産
など、帳簿・決算に必要な情報を持ちます。
国税庁が求める記帳・帳簿保存に対応する中心データです。
補助表には「会計だけでは見にくい状態」を置く
Excelなどの補助表には、
請求番号
支払期限
入金予定日
未入金理由
案件名
担当
次回確認日
を持たせます。
この情報は会計仕訳だけでは追いにくいことがあります。
業務メモは未確定情報を置く
「この入金はA社かもしれない」のような確認途中の情報を、確定帳簿へ直接書き換えるのは避けます。
状態:NEEDS_CHECK
候補:A社
確認先:営業担当
期限:9/18
のように業務メモへ置き、確認できたら正本へ反映します。
二重入力を減らすには共通キーを使う
請求番号や取引IDを共通キーにします。
INV-2026-001
が、
- 請求書
- 売掛管理
- 入金消込
- 会計摘要
で同じなら、あとから突き合わせやすくなります。
同じ数字を何度も手入力しない
悪い構成:
会計ソフト:110,000
Excel:110,000
別CSV:110,000
業務メモ:110,000
すべて人が再入力すると、どこかが110,800円になっても気付きにくくなります。
可能ならCSV出力・取込、参照、コピー元の固定などで再入力回数を減らします。
月次で「正本との照合」をする
補助表が便利でも、会計正本と数字がずれ続けるのは問題です。
月次締めで、
売掛残高
未入金一覧
銀行残高
固定資産
など重要な合計を照合します。
会計ソフトに全部入れないことと、帳簿を省略することは別
補助表へ情報を分けても、税務上必要な記帳・帳簿保存を省略してよいわけではありません。
令和8年分までの青色申告65万円控除など、記帳方式や申告方法に要件がある場合は別途確認します。
分け方の例
|情報|正本|
|---|---|
|仕訳・元帳|会計ソフト|
|請求予定・未入金|補助表|
|資金繰り|補助表|
|確認待ち|業務メモ|
|証憑PDF|証憑保存場所|
ツールを増やすことが目的ではありません。
1つの情報に1つの正本を決め、補助表は正本を見やすくするために使うのが基本です。
参考
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm - 国税庁「No.2070 青色申告制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
