手順書は、操作をたくさん書けばよいわけではありません。
実際に使える手順書は、「次に何をすればよいか」で止まらないように作られています。
対象を1つの作業に絞る
「経理業務の手順書」のように広くすると、読む側が必要な場所を探すだけで疲れます。
たとえば、
- 請求書を発行する
- CSVをシステムへ取り込む
- 月末の売上を集計する
- 顧客へ納品メールを送る
のように、開始と終了が見える単位にします。
最初に開始条件を書く
手順1から始める前に、
毎月末、当月分の納品がすべて確定したら開始
のように「いつこの手順を使うか」を書きます。
開始条件が曖昧だと、手順書があっても仕事そのものが始まりません。
必要なものを先に並べる
途中でファイルや情報を探さないように、
- 元データ
- テンプレート
- IDや権限
- 参照する一覧
- 保存先
を最初に書きます。
1ステップ1動作にする
悪い例は、
データを確認し、必要に応じて修正して保存する
です。
この中には「確認」「判断」「修正」「保存」が混ざっています。
たとえば、
- CSVを開く
- 件数を確認する
- エラー行があれば修正する
import_YYYYMM.csvで保存する
のように分けます。
判断が必要な場所を隠さない
手順書が止まりやすいのは、操作より判断です。
金額が見積と一致しない場合 → 送信せず担当者へ確認
のように、分岐を書きます。
EPAのSOPガイダンスでも、手順は実際に作業する人が再現できるだけの具体性を持たせることが重視されています。
完了条件を書く
最後に、
- ファイル保存済み
- 送信済み
- 管理表へ記録済み
- 未処理0件
など、「ここまでできたら終了」を明示します。
スクリーンショットは必要なところだけ
画面操作が複雑な場所には画像が有効ですが、全操作を画像化すると更新が大変になります。
「どこを押すか分かりにくい場所」だけ使う方が保守しやすくなります。
コピペして使える手順書テンプレート
手順書名:
目的:
開始条件:
担当:
事前に必要なもの:
手順:
1.
2.
3.
判断が必要な場所:
- 条件Aなら:
- 条件Bなら:
完了条件:
記録・保存先:
最終更新日:
記入例:CSVを業務システムへ取り込む
手順書名:顧客CSV取込
目的:当月の新規顧客を登録する
開始条件:担当者から確定CSVを受領
事前に必要なもの:元CSV、取込先アカウント、バックアップ
手順:
1. 元CSVをコピーして作業用を作る
2. 必須列と件数を確認
3. テストデータ5件で取込
4. エラー0件を確認
5. 本番CSVを取込
6. 取込後件数を確認
判断:
エラーが1件でも出る → 本番取込を止め、原因を確認
完了条件:
取込件数と元CSV件数が一致、エラー0件
このテンプレートで「判断」や「完了条件」が空欄になるなら、実際の業務ルール自体がまだ曖昧な可能性があります。
手順書の目的は文書を作ることではありません。
途中で迷わず、同じ作業を再現できることがゴールです。
参考
- US EPA: Guidance for Preparing Standard Operating Procedures
https://www.epa.gov/quality/guidance-preparing-standard-operating-procedures
