「一番時間がかかる工程=ボトルネック」と考えると、改善場所を間違えることがあります。
見るべきなのは、その工程が全体の流れを止めているかです。
1. 処理時間
もちろん、1件60分かかる工程は候補です。
ただし1日1件しか来ないなら、全体を詰まらせていない場合があります。
2. 待ち時間
処理は5分でも、承認に2日かかる。
これは業務全体の完了時間へ大きく影響します。
作業時間と待ち時間を分けて見ます。
3. 滞留件数
そこに仕事が積み上がっているかを見ます。
10件、20件と未処理がたまる工程は、流入に処理能力が追いついていない可能性があります。
4. やり直し率
「一度終わったのに戻ってくる」工程もボトルネックになります。
たとえば入力ミスが多く、後工程から毎回差し戻されるなら、修正作業まで含めた負荷は大きくなります。
5. 代替できるか
特定の1人しかできない、特定PCでしかできない、月末にだけ処理できる。
こうした工程は、通常時は問題がなくても、休みや繁忙期で突然詰まります。
ピーク時だけ詰まることもある
平均では問題なくても、
月末3日間だけ請求が集中
する仕事があります。
平均処理時間だけでなく、最も混む時期を見る必要があります。
改善優先度を決める
候補が複数あるなら、
- 待ちが長い
- 件数が多い
- やり直しが多い
- 代替がない
- 顧客への影響が大きい
ものを先にします。
5基準を0〜2点で仮採点する
|基準|0点|1点|2点|
|---|---|---|---|
|待ち時間|ほぼない|数時間|1日以上|
|滞留件数|ほぼ0|時々たまる|常時たまる|
|やり直し|ほぼない|時々|頻繁|
|代替手段|複数ある|限定的|1人・1台だけ|
|顧客影響|小さい|内部遅延|納期・売上へ直結|
たとえば、
- 承認工程:8点
- データ入力:4点
- PDF保存:1点
なら、承認工程から詳しく調べる候補になります。
この点数は「8点なら必ずボトルネック」という公式ではありません。改善候補を並べるためのスクリーニングとして使います。
改善前後は同じ指標で比べる
- 平均待ち時間
- 最大滞留件数
- 差し戻し件数
- 処理件数
を同じ方法で測ります。
「自動化したから改善したはず」ではなく、実際に流れが良くなったかで判断します。
Lean Enterprise Instituteの現行説明では、顧客価値を起点に仕事全体を見て、より良い品質・flow・時間・コストを目指す考え方が示されています。
ボトルネックは「遅い作業」ではなく、全体の流れを制約している場所と考えると見つけやすくなります。
参考
- Lean Enterprise Institute: What is Lean Thinking?
https://www.lean.org/explore-lean/what-is-lean/
