文字起こしと議事録は、似ているようで役割が違います。
文字起こしは「何が話されたか」の記録。議事録は「何が決まり、次に何をするか」の記録です。
会議音声をAIで全文文字起こしできても、それをそのまま議事録にすると、重要な決定を探しにくくなります。
文字起こしは発言記録
Aさん:今回はA案でどうでしょう。
Bさん:納期を考えるとA案がよさそうです。
Cさん:英語版だけは後日にしたいです。
後から「誰が何と言ったか」を確認したい場面では役立ちます。
議事録は意思決定と次行動の記録
同じ会話を議事録にすると、
決定:9月版はA案で公開する。
未決:英語版の公開日は別途決定する。
ToDo:Cさんが9月17日までに英語版スケジュール案を作成。
となります。会議後の仕事に必要なのはこちらです。
何を残し、何を削るか
文字起こしから議事録を作るときは、
- 決定事項
- 担当者
- 期限
- 判断待ち
- 未決事項
- 次回確認
- 決定理由として必要な要点
を拾います。
あいさつ、同じ主張の繰り返し、言い直し、結論に影響しない雑談は通常の議事録では削れます。
両方残した方がよい場面
契約交渉、重要なレビュー、研究インタビューなど、後から発言そのものを確認する必要があるなら、
文字起こし:原記録
議事録:実務用要約
として両方残す方法があります。
録音・保存・共有については、組織ルールや参加者との取り決め、扱う情報の機密性を確認します。
AI文字起こしから議事録を作る場合
AIに要約させると便利ですが、担当者名、数字、日付、否定表現、「決定」か「提案」かを誤ると影響が大きくなります。
特に「A案に決定」と「A案を検討」は別です。最終議事録では原音声や元文字起こしへ戻って確認します。
使い分けの早見表
|目的|文字起こし|議事録|
|---|---|---|
|発言を追う|向く|一部のみ|
|決定を探す|探しにくい|向く|
|担当・期限を確認|埋もれやすい|向く|
|詳細な原記録|向く|要約される|
|会議後の実行管理|向かない|向く|
全部の発言を残すほど良い議事録になるわけではありません。原記録が必要なら文字起こし、仕事を進めるためなら議事録と役割を分けると整理しやすくなります。
