引継ぎで漏れやすいのは、完成した手順書より現在進行中の仕事です。

「この業務はこう進める」という説明があっても、今どの案件が途中か、誰の返事を待っているか、次の期限はいつか、例外対応中の案件はどれかが渡っていなければ、後任者は初日から止まります。

まず未完了案件を一覧にする

|案件|状態|次のアクション|期限|待っている相手|
|---|---|---|---|---|
|A社請求|確認待ち|金額確定後に送信|9/16|営業担当|
|B社契約|相手待ち|返答後に修正|9/18|B社法務|
|C社更新|判断待ち|更新有無を確認|9/20|責任者|

「進行中」だけではなく、次のアクションまで渡します。

期限をカレンダーから拾う

引継ぎ時点から1〜2か月先まで見て、請求日、更新日、報告日、契約期限、定例会、定期作業を確認します。

毎年1回の業務など、直近の作業一覧に出てこない期限もあります。

相手待ち・判断待ちを別にする

WAIT:相手の返答待ち
DECISION:社内判断待ち
NEXT:自分たちが次に動く

のように状態を分けると、何を追えばよいか分かります。

例外案件を通常業務と分けて渡す

例外:
D社は請求書をPDF添付ではなく専用ポータルへ登録

口頭だけで伝えると抜けやすい部分です。

連絡先は役割まで残す

請求内容:営業担当
入金確認:経理
アカウント権限:IT窓口
顧客側の窓口:○○部 △△様

アクセス権と所有者も確認する

共有フォルダ、SaaS、メーリングリスト、カレンダー、自動化、共有メールボックスなどに後任者がアクセスできるか確認します。

パスワードを文書へ直接書くのではなく、組織の正式な認証・共有方法を使います。

引継ぎチェックリスト

□ 未完了案件を一覧化した
□ 各案件の次のアクションを書いた
□ 期限を確認した
□ 相手待ち・判断待ちを分けた
□ 例外案件を書いた
□ 定期作業を確認した
□ 連絡先を役割付きで残した
□ ファイル・URLを確認した
□ 必要なアクセス権を移した
□ 後任者と一緒に未完了一覧を確認した

引継ぎ完了は、資料を送った時点ではありません。後任者が「明日何をするか」「何を待っているか」「どこで質問するか」を説明できる状態まで移せたら、実務上の引継ぎが完了したと考えやすくなります。

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