電子取引データは、保存しただけで終わりではありません。
電子帳簿保存法の原則的な検索要件では、取引年月日などの日付・取引金額・取引先を条件に検索できる状態が求められます。
専用システムがなくても、ファイル名やExcelなどの索引簿を使う方法があります。
原則的な検索項目は3つ
国税庁Q&Aでは、電子取引データについて、
- 日付
- 金額
- 取引先
を検索条件にできることが基本とされています。
さらに原則として、日付・金額の範囲指定や、複数項目を組み合わせた検索ができることも求められます。
方法1:規則性のあるファイル名を使う
国税庁Q&Aには、
20210131_(株)霞商店_110000
のように日付・取引先・金額をファイル名に入れる例があります。
自分の事業なら、
20260914_青空商店_8800.pdf
20260920_山田運輸_44000.pdf
のように統一できます。
日付は西暦か和暦のどちらかに統一し、表記揺れを減らします。
方法2:Excelなどで索引簿を作る
ファイル名を長くしたくない場合は、索引簿を作る方法があります。
|No.|日付|取引先|金額|ファイル名|
|---:|---|---|---:|---|
|1|2026/09/14|青空商店|8,800|0001.pdf|
|2|2026/09/20|山田運輸|44,000|0002.pdf|
Excelのフィルター機能を使えば、取引先、金額範囲、日付範囲で絞れます。
重要なのは、索引簿の行から保存ファイルへ確実にたどれることです。
すべての事業者に同じ検索機能が必要とは限らない
2024年1月以後の電子取引データでは、税務調査等の際のデータのダウンロードの求めに応じられる状態にしている場合、一定の条件では検索機能の確保が不要となる扱いがあります。
国税庁の案内では、例として、
- 基準期間の売上高が5,000万円以下
- 電子取引データをプリントアウトし、日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる
といった場合が示されています。
適用条件の判定には細かい定義があるため、自分が該当するかは最新の国税庁資料で確認します。
検索要件が不要でもファイルを散らさない
法令上の検索機能が不要となる場合でも、実務では探せる方が圧倒的に楽です。
税務調査だけでなく、
- 二重払い確認
- 請求内容の確認
- 月次締め
- 取引先からの問い合わせ
- 申告前の再確認
でも使うからです。
月末に索引と実ファイルの件数を合わせる
月末は、
索引簿 42行
保存ファイル 42件
のように件数を照合します。
索引にはあるがファイルがない、PDFはあるが索引にない、といった漏れを早めに見つけられます。
参考
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/index.htm - 国税庁「電子取引データをルールに従って保存できていますか?」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0023006-081_03.pdf - 国税庁「電子取引データの保存方法をご確認ください」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf
