確定申告前に確認したいのは、申告画面の入力欄より元になる帳簿が年末時点で正しいかです。
この記事は各論の細かい計算を繰り返さず、申告前の入口として「何を確認するか」をまとめます。
1. 売上を全経路で確認する
□ 現金売上
□ 銀行振込
□ カード・決済サービス
□ EC・プラットフォーム
□ 年末時点の売掛金
□ 返金・キャンセル
銀行へ入った金額だけで売上を確認しないようにします。
2. 経費を支払手段から逆引きする
領収書だけでなく、
- 銀行口座
- クレジットカード
- 電子マネー
- 現金
- 請求書
から帳簿と照合します。
二重入力、私用分、事業主貸・事業主借の処理も確認します。
3. 年末の現金・預金を合わせる
12月31日時点の帳簿残高と実際の残高を照合します。
青色申告で貸借対照表を作る場合、現預金のずれを放置すると他の勘定との整合確認が必要になります。
4. 売掛・買掛・未払を確認する
年内に取引が成立していても、入金・支払が翌年になるものがあります。
未入金請求、未払請求を一覧にして、帳簿へ反映されているか確認します。
5. 棚卸資産を確認する
商品・材料など年末に残っている在庫がある事業では、年末棚卸を確認します。
仕入れた金額を全部その年の経費にしていないか見直します。
6. 高額購入を減価償却へ回す
PC、車、設備、機械など、固定資産として扱うものを確認します。
10万円未満、一括償却資産、青色申告者の少額減価償却資産の特例など、金額と取得時期で扱いが変わるものがあります。
7. 家事按分の根拠を確認する
家賃、電気代、通信費など事業と生活の両方に使う支出は、事業分を明らかに区分します。
面積、使用時間、利用回数など、業務と費用の性質に合った根拠を残します。
8. 電子取引データを確認する
メールPDF、Web領収書、クラウド請求書など対象となる電子取引データが保存されているか確認します。
紙へ印刷しただけで元データを削除していないか見ます。
9. 青色申告特別控除の要件を確認する
55万円・65万円控除を使うなら、記帳方式、貸借対照表・損益計算書、期限内申告、65万円の場合のe-Tax等の追加要件を確認します。
申告前の1枚チェック
□ 売上漏れなし
□ 経費の二重入力なし
□ 現金・預金残高を照合
□ 売掛・未収を確認
□ 買掛・未払を確認
□ 年末棚卸を確認
□ 固定資産・減価償却を確認
□ 家事按分の根拠あり
□ 電子取引データ保存を確認
□ 青色申告特別控除の要件を確認
□ 申告年分の最新様式・手引きを確認
このチェックで不明点が出たら、申告画面で推測して埋めるのではなく、帳簿・証憑へ戻ります。
個別の税務判断が必要なら、税務署や税理士へ確認してください。
あわせて確認
参考
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm - 国税庁「No.2070 青色申告制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm - 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm - 国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
