減価償却とは、建物、機械、車、器具備品など、時間の経過や使用によって価値が減る資産の取得費を、原則として使用できる期間へ配分して必要経費にする仕組みです。

たとえば30万円の備品を買ったからといって、必ず購入年に30万円全部を通常の経費へ入れるわけではありません。

「買った年」と「使う年」が違うから分ける

10万円の消耗品なら、短期間で使い切る感覚に近いものがあります。

一方、業務用の車や設備は数年間使います。

購入年だけに全額を費用計上すると、

1年目:利益が大きく減る
2年目以降:その資産を使っているのに費用がない

という形になります。

減価償却では、取得価額を耐用年数などに応じて各年へ配分します。

減価償却する主な資産

国税庁は、時間の経過等によって価値が減っていく資産として、

  • 建物
  • 建物附属設備
  • 機械装置
  • 車両運搬具
  • 工具
  • 器具備品

などを例示しています。

土地は原則として減価償却しない

土地や骨とう品など、時間の経過で価値が減少しないものは減価償却資産に当たりません。

「高額なら全部減価償却」ではなく、資産の性質で判断します。

使用を始めた年から考える

減価償却は「買った日」だけでなく、事業の用に供した時期が重要です。

12月に購入しても、実際に事業で使い始めたのが翌年なら、処理時期の確認が必要です。

取得価額10万円未満などには例外がある

国税庁 No.2100では、使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満のものは、一定の場合にその取得金額を業務に使用した年の必要経費とする扱いがあります。

また、

  • 10万円以上20万円未満の一括償却資産
  • 一定の青色申告者が使える少額減価償却資産の特例

などがあります。

そのため「固定資産は必ず耐用年数で償却」とも言い切れません。

例:36万円のPCを2026年5月に買った場合

2026年4月1日以後に取得した36万円の資産なら、一定の中小事業者に該当する青色申告者では、40万円未満の少額減価償却資産の特例を検討できる場合があります。

要件を満たさない場合や特例を使わない場合は、通常の減価償却を検討します。

つまり、金額だけではなく、

取得日
取得価額
青色申告か
対象事業者か
事業利用開始日
特例を使うか

を確認します。

最低限残しておく情報

固定資産を購入したら、

資産名
取得日
取得価額
使用開始日
購入先
用途
事業使用割合

を残しておくと、年末の計算が楽になります。

個別の耐用年数や取得価額の判定で迷う場合は、国税庁の最新情報や税務署・税理士へ確認してください。

参考

  • 国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
おすすめの記事