資金繰り表とは、一定期間の現金の収入と支出を並べ、将来いくら現金が残るかを見る表です。
損益計算書が「利益」を見るのに対し、資金繰り表は「支払日に使える現金があるか」を見ます。
J-Net21も、資金繰り表を現金収支をまとめ、現金過不足を把握する表として説明しています。
黒字でも現金不足は起きる
たとえば9月に100万円の売上を計上しても、入金が11月なら9月の現金は増えません。
一方で、
9月:仕入 40万円
9月:給与 30万円
9月:家賃 10万円
を先に支払うなら、利益が出ていても手元資金は減ります。
売掛金が増えると現金化が遅れる
売上が増えても、回収まで60日かかれば、その間は現金になりません。
売上の伸びが大きい会社ほど、仕入や人件費だけ先に増え、資金が苦しくなる場合があります。
在庫も現金を先に使う
商品を100万円仕入れても、売れるまで現金へ戻りません。
在庫が増えるほど、
現金 → 在庫
へ資金が移ります。
利益だけでは、このタイミング差が見えにくいことがあります。
設備投資と借入返済も見る
設備を買えば現金が出ます。
借入金の返済も、損益計算上の費用だけでは捉えきれません。元本返済は現金を減らします。
そのため資金繰り表では、
- 通常の営業収入
- 通常の営業支出
- 設備投資
- 借入
- 借入返済
- 納税
を現金の動きとして見ます。
一番見るのは「翌月繰越」
基本形は、
前月繰越
+ 当月収入
- 当月支出
+ 借入等
- 借入返済等
= 翌月繰越
です。
翌月繰越がマイナスになる月が見えたら、その前に対策を考える必要があります。
予算と実績を分けると予測精度が上がる
J-Net21では、将来の予算と実際の実績を分ける形式も紹介しています。
たとえば、
|月|予想入金|実際入金|
|---|---:|---:|
|9月|800,000|760,000|
|10月|900,000|—|
のように差を見ると、売掛回収が予定より遅れやすいか分かります。
資金繰り表は厳密な決算書ではない
資金繰り表には決算書のような1つの固定フォーマットはありません。
小さな事業なら、まず3〜6か月先の、
入金予定
支払予定
税金
設備投資
借入返済
を並べるだけでも意味があります。
資金繰り表の役割は利益を計算し直すことではありません。
未来のどの月に現金が足りなくなりそうかを、足りなくなる前に知ることです。
参考
- J-Net21「資金繰り表って何ですか?」
https://j-net21.smrj.go.jp/solution/qa/financeqa/Q0225.html - J-Net21「資金繰りとは」
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list4/4-1-4.html
