小さな事業の資金繰り表は、複雑な財務モデルから始める必要はありません。
最初は、前月から持っている現金に、入る予定と出る予定を月別に足し引きする表で十分です。
J-Net21も、資金繰り表には決まったフォーマットはないと説明しています。
最小構成は6ブロック
1. 前月繰越
2. 営業収入
3. 営業支出
4. 設備・税金など
5. 借入・返済
6. 翌月繰越
で作ります。
Excelの列は月にする
|項目|9月|10月|11月|
|---|---:|---:|---:|
|前月繰越|1,000,000|650,000|420,000|
|売上入金|800,000|900,000|1,100,000|
|その他入金|0|0|0|
|仕入支払|-300,000|-350,000|-400,000|
|人件費|-250,000|-250,000|-250,000|
|家賃等|-100,000|-100,000|-100,000|
|税金|-200,000|0|-150,000|
|借入|-|500,000|-|
|借入返済|-300,000|-930,000|-100,000|
|翌月繰越|650,000|420,000|520,000|
数字は例です。
売上ではなく「入金予定月」に入れる
9月に納品して10月末入金なら、資金繰り表では10月の入金へ置きます。
請求書を発行した月ではなく、現金が動く予定月を見るからです。
支出も実際に払う月へ置く
9月分の外注費を10月末に払うなら、10月支出に入れます。
経費計上月と支払月を混同しないようにします。
税金・年払い費用を忘れない
毎月発生しない支出ほど資金ショートの原因になります。
たとえば、
- 所得税・消費税
- 固定資産税
- 社会保険・労働保険
- 年払いSaaS
- 保険料
- 車検
- 大型設備購入
などを予定月へ置きます。
税額が未確定なら、
仮予算:200,000
のように暫定値で入れ、確定後に更新します。
借入と返済は別行にする
借入時は現金が増え、返済時は現金が減ります。
借入金:+500,000
元本返済:-100,000
のように分けます。
資金繰りでは返済元本も現金減少として見る必要があります。
翌月繰越を数式にする
概念的には、
翌月繰越
= 前月繰越
+ 収入合計
- 支出合計
+ 財務収支
です。
翌月の「前月繰越」は、この値をそのまま参照します。
予想と実績を2列にすると改善できる
余裕があれば各月に、
10月予想
10月実績
を作ります。
入金が予定より遅れる、支出が毎回多い、といった予測癖を見つけられます。
最初は3か月先まででよい
1年先を精密に当てるより、まず3か月先まで、
大きな入金
大きな支払
税金
借入返済
を入れます。
毎月更新し、常に3〜6か月先を見る運用にすると使いやすくなります。
資金繰り表は「正しい未来を当てる表」ではありません。
現時点の予定で資金不足が起きる月を早く発見し、予定が変わったら更新する表です。
参考
- J-Net21「資金繰り表を活用する」
https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/finance/table.html - J-Net21「資金繰り表って何ですか?」
https://j-net21.smrj.go.jp/solution/qa/financeqa/Q0225.html
