個人事業主の領収書やレシートは、帳簿へ入力したら捨ててよいわけではありません。

ただし、保存期間はすべて一律ではありません。青色申告か白色申告か、領収書が紙か電子データか、消費税の仕入税額控除に使う書類か、という条件で扱いが変わります。

この記事では、2026年9月時点の国税庁情報を基に、税務上のルールと実務上の整理方法を分けて整理します。

青色申告では領収書が原則7年になることがある

国税庁の「記帳や帳簿等保存・青色申告」では、青色申告者の帳簿書類について、

  • 帳簿:7年
  • 決算関係書類:7年
  • 領収証・預金通帳などの現金預金取引等関係書類:7年
  • 請求書・見積書・契約書・納品書などその他の書類:5年

と案内しています。

ただし、現金預金取引等関係書類は、前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の場合、5年とされる例外があります。

したがって「領収書は全部5年」「全部7年」と一言で覚えない方が安全です。

白色申告では領収書などの書類は5年が基本

白色申告では、国税庁の現行案内上、

  • 収入金額や必要経費を記載した法定帳簿:7年
  • 任意帳簿:5年
  • 棚卸表などの決算書類:5年
  • 請求書・納品書・領収書などの書類:5年

が基本です。

消費税の書類は別に7年保存が必要になる場合がある

所得税の保存期間だけを見ていると見落としやすいのが消費税です。

国税庁は、消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書等や、適格請求書発行事業者が交付したインボイスの写し・提供した電磁的記録について、所得税側の一般的な保存期間にかかわらず7年間保存する必要があると案内しています。

メールやWebで受け取った領収書は「データのまま」保存する

PDF領収書、メール添付の請求書、Webサイトからダウンロードした利用明細など、電子的に受け取った取引情報は電子取引データに当たることがあります。

2024年1月以後の電子取引では、対象データはルールに沿って電子データのまま保存するのが原則です。

紙へ印刷すること自体は禁止されていませんが、印刷した紙だけ残して電子データを捨てる運用にはしません。

紙の領収書をスキャンするのは別制度

紙で受け取った領収書をスマホやスキャナで読み取り、原本の代わりに電子保存する「スキャナ保存」は、電子取引データ保存とは別の制度です。

紙で受け取ったものを必ずスキャンしなければならない、という意味ではありません。

実務では「税務上必要な保存」と「探しやすさ」を分ける

保存ルールを守っていても、後から探せなければ実務では困ります。

たとえば紙なら、

2026年
├─ 01月
├─ 02月
└─ 03月

のように月単位で分け、各月の中は日付順にしておく方法があります。

電子データなら、

2026-09-14_山田商店_8800.pdf

のように、日付・取引先・金額が分かる名前を使うと検索しやすくなります。

ただし、月別フォルダやこのファイル名そのものが税法で一律に義務付けられているわけではありません。これは探しやすくするための実務設計です。

捨てる前に4点を確認する

領収書やレシートを処分するときは、

  1. 必要な保存期間を満たしたか
  2. 青色・白色だけでなく消費税側の保存要件がないか
  3. 電子取引データを紙だけにしていないか
  4. 税務調査や取引確認で必要な他の記録と結び付いているか

を確認します。

保存期間の判断に迷う場合は、取引の種類や自分の申告区分に応じて国税庁の最新情報や税務署・税理士へ確認してください。

参考

  • 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_2.htm
  • 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm
  • 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
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