Excelのテーブルは、「範囲に変換」で普通のセル範囲に戻せます。操作自体はすぐ終わります。ただし、テーブルを前提にした数式やPower Query、スライサーがあると、解除したあとで計算が合わなくなったり、更新できなくなったりします。
この記事では、解除の手順、解除する前の確認、「範囲に変換」が押せないときの対処、解除後に色や縞模様が残るときの消し方を順に説明します。
テーブルを解除する手順
- テーブル内のセルを1つ選ぶ
- リボンの「テーブルデザイン」タブ(バージョンによっては「テーブルツール」の「デザイン」タブ)を開く
- 「ツール」グループの「範囲に変換」を押す
- 確認のメッセージで「はい」を押す
テーブル内のセルを右クリックし、「テーブル」→「範囲に変換」を選んでも同じです。
解除すると、次のように変わります。
| 項目 | 解除後 |
|---|---|
| 見出しのフィルターボタン | 消える |
| テーブルスタイルの色・縞模様 | 普通のセルの書式として残る |
構造化参照(テーブル1[金額]など)の数式 |
通常のセル参照に書き換わる |
| 集計行 | 普通の行として残る |
| 計算列の数式 | 入力済みの数式は残るが、新しい行には自動で入らない |
| 行を追加したときの範囲の拡張 | されない |
| テーブル名 | なくなる |
解除する前に確認すること
1. テーブル名を使った数式
まず「テーブルデザイン」タブの左端でテーブル名(例:テーブル1)を確認します。次にCtrl+Fで検索画面を開き、「オプション」で検索場所を「ブック」、検索対象を「数式」にします。テーブル1[で「すべて検索」すると、テーブル名を使っている数式が一覧で出ます。
通常の構造化参照は、解除すると自動でセル参照に書き換わります。ただし、次の点に注意します。
- 書き換わった参照は、解除した時点の最終行までに固定されます。あとで行を追加しても、合計などの数式には入りません。
INDIRECT("テーブル1[金額]")のように文字列で書いた参照は書き換わらず、#REF!になります。入力規則のドロップダウンや条件付き書式でこの書き方をしている場合も同じです。- 別のブックからこのテーブルを参照している場合は、両方のブックを開いた状態で解除し、もう一方のブックの数式がどうなったかを確かめます。
入力規則は検索に出てこないことがあるため、ドロップダウンのあるセルを選び、「データ」→「データの入力規則」で元の値の指定も見ておきます。
2. Power Queryとのつながり
Power Queryとのつながり方には2種類あり、どちらも解除の影響を受けます。
- クエリの結果を読み込んだテーブル:テーブルを選ぶとリボンに「クエリ」タブが出る場合はこれにあたります。「データ」→「クエリと接続」でクエリにマウスを合わせると、読み込み先のシートも確かめられます。解除するとクエリとのつながりが切れ、更新できなくなるという趣旨の確認が出ます。今の値だけを残したいなら、解除するのではなく、別のシートへ値で貼り付ける方法でもかまいません。
- このテーブルをクエリの元データにしている:「テーブルまたは範囲から」で作ったクエリは、テーブル名でデータを読んでいます。「ソース」ステップに
Excel.CurrentWorkbook(){[Name="テーブル1"]}[Content]のような式があれば該当します。解除すると、このクエリは次の更新でエラーになります。
3. スライサー・ピボットテーブル・フィルター
- スライサー:テーブルのスライサーは、テーブルでなくなると使えなくなります。どの項目で絞り込んでいたかを先に控えておきます。
- ピボットテーブル:元データにテーブル名を指定している場合は、解除したあとに「ピボットテーブル分析」→「データソースの変更」で、指定がどう変わったかを確かめます。行を追加しても自動では入らなくなります。
- フィルター:絞り込んだまま解除すると、非表示の行がわかりにくくなります。先に「データ」→「クリア」で絞り込みを解いておきます。
4. 元に戻せる状態にしておく
解除する前に、ファイルのコピーを保存しておきます。解除した直後ならCtrl+Zで戻せます。しかし、時間がたってからCtrl+Tで再びテーブルにしても、テーブル名、構造化参照の数式、クエリとのつながりは元どおりになりません。
「範囲に変換」が押せない・見つからないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「テーブルデザイン」タブ自体が出ない | 選んだセルがテーブルの外にある。または、色を付けただけの普通の表 | テーブル内のセルを選び直す。普通の表なら解除は不要で、書式を消すだけでよい(後述) |
| ボタンが灰色で押せない | シートが保護されている | 「校閲」→「シート保護の解除」(パスワードが必要な場合あり) |
| ボタンが灰色で押せない | 複数のシートがグループになっている(タイトルバーに「グループ」と出る) | シート見出しを右クリックして「シートのグループ解除」 |
| ボタンが灰色で押せない | セルの編集中になっている | EscかEnterで編集を終える |
| 編集できない | 保護ビューや読み取り専用で開いている | 「編集を有効にする」を押す。または編集できる場所に保存し直す |
| 押せない・使えない機能がある | 従来の「ブックの共有」が有効になっている | 共有を解除してから操作する |
| 解除の前に別の操作を求められる | SharePointのリストなど外部のデータとリンクしたテーブル | 先にリンクの解除が必要な場合がある。テーブルデザインタブの外部データ関連の項目を確認する |
解除後に色や縞模様が残るときの対処
「範囲に変換」で外れるのはテーブルの機能だけで、見た目はセルの書式としてそのまま残ります。これは不具合ではなく、もともとの仕様です。
解除する前なら:テーブルスタイルをクリアしてから変換する
- テーブル内のセルを選ぶ
- 「テーブルデザイン」タブでテーブルスタイルの一覧を開く
- 一覧の下にある「クリア」を選ぶ(または「なし」のスタイルを選ぶ)
- そのあとで「範囲に変換」を押す
この順にすると、色や縞模様は残りません。数値や日付の表示形式はそのまま保てます。
解除したあとに気づいたら
- 解除した直後なら、Ctrl+Zで解除を取り消し、上の手順でスタイルをクリアしてから変換し直すのがいちばん確実です。
- 取り消せないときは、範囲を選んで「ホーム」の「塗りつぶしの色」を「塗りつぶしなし」、「罫線」を「枠なし」、「フォントの色」を「自動」にします。この方法なら表示形式は残ります。
- 「ホーム」→「クリア」→「書式のクリア」でも消せますが、表示形式まで消えます。日付は数字(シリアル値)で表示され、金額の桁区切りもなくなるので、使うなら最後の手段にします。
それでも残るものがあるとき
- フィルターボタンが残っている:テーブルとは別の、普通のフィルターが設定されています。「データ」→「フィルター」を押してオフにします。
- 塗りつぶしを消しても色や縞模様が消えない:条件付き書式が設定されています。範囲を選び、「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールのクリア」→「選択したセルからルールをクリア」で消します。必要なルールまで消さないよう、先に「ルールの管理」で中身を確かめます。
解除後の確認チェックリスト
- Ctrl+Fで検索対象を「値」にして
#REF!を検索し、エラーになった数式がない - 合計などの数式の範囲が、最終行まで入っている
- 入力規則のドロップダウンが、これまでどおり表示される
- ピボットテーブルを更新しても、集計値が解除前と変わらない
- つながりを残すつもりのクエリが、更新でエラーにならない
- 集計行が不要なら削除した
- 残したくない色・罫線・フィルターボタンがない
まとめ
テーブルの解除は「範囲に変換」1回で済みます。ただし、その前にテーブル名を使った数式、Power Queryとのつながり、スライサーやピボットテーブルを確かめておくと、解除後の計算ずれや更新エラーを防げます。色や縞模様を残したくないなら、解除する前にテーブルスタイルをクリアしておくのがいちばん手間がかかりません。
