自宅兼事務所の家賃や電気代、通信費は、生活にも事業にも使うことがあります。

このような家事関連費では、事業に必要な部分を明らかに区分できる範囲を必要経費として考えます。

重要なのは「家賃は30%」「スマホは50%」のような万能の割合を探すことではありません。

家賃は使用面積を基準にしやすい

たとえば60㎡の住宅のうち、12㎡の部屋をほぼ事業専用で使っているなら、

12 ÷ 60 = 20%

を一つの基準にできます。

ただし、リビングの一角を1日2時間だけ使う場合に単純な面積比だけを使うと、実態と合わないことがあります。

面積と使用時間を組み合わせる方法も検討します。

電気代は「部屋の面積」だけでは合わないことがある

電気代は、照明・PC・エアコンなど機器の使い方に左右されます。

たとえば、

仕事部屋の使用時間
業務用PCの稼働時間
在宅業務の日数

を記録し、事業使用分を説明できる基準を作ります。

家全体の電気代を単純に床面積だけで割るより、利用実態に近い方法を選びます。

通信費は利用状況で分ける

スマホや自宅回線を事業と私用で共用する場合、

  • 業務通話の記録
  • 業務利用時間
  • 業務用端末の有無
  • 通信量の使途

などを見ます。

1台を完全に仕事専用にしているなら、共用端末とは判断方法が変わります。

「毎年同じ割合」より根拠を残す

業務形態が変われば按分率も変わります。

2026年:自宅勤務 週5日
2027年:外部事務所を契約し、自宅勤務 週1日

なら、同じ割合を自動継続する方が不自然です。

年末に、

按分対象
基準
計算式
根拠資料

を1枚に残しておくと説明しやすくなります。

例:自宅家賃

月額家賃:80,000円
総面積:60㎡
事業専用部分:12㎡
事業割合:20%
事業分:16,000円/月

これはあくまで例です。専用部分の実態があることが前提です。

例:スマホ

月額:6,000円
業務通話・業務利用:記録上おおむね40%
事業分:2,400円

「なんとなく半分」ではなく、通話履歴や利用状況など説明できる材料を残します。

一律の正解率はない

国税庁 No.2210は、家事関連費のうち、取引記録などに基づいて業務遂行上直接必要だったことが明らかに区分できる金額を必要経費とする考え方を示しています。

所得税基本通達45-1も、業務内容、経費内容、資産の利用状況などを総合して判定するとしています。

したがって、費用ごとに実態に合う基準を選びます。

参考

  • 国税庁「No.2210 必要経費の知識」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
  • 国税庁「所得税基本通達 法第45条関係」
    https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/07/01.htm
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