Accessのテーブルやクエリは、テキストエクスポートウィザードでCSVとして書き出せます。毎回同じ形式で書き出すなら、区切り文字・引用符・見出し行・文字コードを一度決めてエクスポート定義として保存しておくと、次からは設定の選び直しが要らなくなります。
この記事では、出力前の準備、ウィザードでの設定、定義と操作の保存、出力したファイルの確認までを順に説明します。画面の名前やボタンの配置はAccessのバージョンによって少し違うことがあるため、手元の画面と照らし合わせながら進めてください。
出力前に決めておくこと
CSVは、受け取る側(会計ソフト、他のシステム、取引先など)が読める形で出力しないと意味がありません。ウィザードを開く前に、受け取る側の仕様や取り込み画面で次の点を確かめておきます。
| 項目 | よくある選択肢 |
|---|---|
| 区切り文字 | カンマ / タブ |
| 文字列の引用符 | "(ダブルクォート)/ なし |
| 1行目の見出し | あり / なし |
| 文字コード | UTF-8 / シフトJIS |
| 日付の形式 | 2026/10/05、2026-10-05 など |
| 列の順番 | 受け取る側が決めた順番 |
受け取る側の指定が分からないまま出力すると、文字化けや列ずれの原因になります。
出力するデータをクエリで整える
テーブルをそのまま書き出すと、不要な列まで含まれ、列の順番もテーブルのままになります。出力専用のクエリを作っておくと、毎回同じ内容で書き出せます。
- 出力する列だけを、受け取る側が求める順番に並べる
- 抽出条件(期間・状態など)をクエリに入れておく
- 並べ替えの順番をクエリで指定する
- 列名を受け取る側の見出しに合わせたい場合は、クエリで別名を付ける
クエリを開いたとき、画面下のレコード移動ボタンの横に表示される件数を控えておくと、出力後の件数確認に使えます。
エクスポートの手順
1. ウィザードを開く
- ナビゲーションウィンドウで、出力するテーブルまたはクエリを選ぶ
- 「外部データ」タブの「エクスポート」グループで「テキスト ファイル」を選ぶ
- 出力先のファイル名を指定する。拡張子は
.csvにする - 「書式設定とレイアウトを保持したままデータをエクスポートする」は、オフのまま「OK」を押す
書式設定とレイアウトを保持する設定をオンにすると、区切り文字や引用符を細かく指定するウィザードの画面が表示されない形で出力されます。CSVの形式を自分で決めたい場合はオフにしておきます。
2. 区切り記号付きを選ぶ
ウィザードの最初の画面で「区切り記号付き」を選び、「次へ」を押します。「固定長」は、各列を決まった文字数でそろえる形式で、CSVではありません。
3. 区切り文字・見出し行・引用符を選ぶ
次の画面で、出力の形を決めます。
- フィールドの区切り記号:CSVなら「カンマ」。タブ区切りを求められている場合は「タブ」
- 先頭行をフィールド名として使う:1行目に見出しが必要ならチェックを入れる
- 文字列の引用符:
"か「なし」を選ぶ
引用符は、通常テキスト型の列に付き、数値や日付の列には付きません。「すべての列を引用符で囲む」形式を求められている場合は、この画面の設定だけでは対応できないことがあるため、出力結果を見て判断してください。
データの中にカンマや改行を含む列がある場合、引用符を「なし」にすると、受け取る側で列や行がずれます。そうした列がある可能性があるなら、" を選んでください。
4. 「設定」で文字コードと日付の形式を指定する
ウィザードの画面左下にある「設定」(詳細設定)ボタンを押すと、エクスポート定義の画面が開きます。ここで次の項目を指定します。
| 項目 | 確かめる点 |
|---|---|
| コード ページ | UTF-8なら「Unicode (UTF-8)」、シフトJISなら「日本語 (シフト JIS)」など、受け取る側に合わせる |
| 日付の順序・区切り記号 | 年月日の順番と、/ か - か |
| 4桁の年 | 西暦を4桁で出すか |
| 日付の先頭にゼロを付ける | 2026/1/5 か 2026/01/05 か |
| 小数点の記号 | 通常は . |
UTF-8で出力したときにファイルの先頭にBOMが付くかどうかは、受け取る側の取り込み結果に影響することがあります。出力後に、BOMの有無を表示できるテキストエディタで確かめてください。
5. エクスポート定義を保存する
同じ設定の画面で「名前を付けて保存」を押し、定義に名前を付けます。
名前の例:売上明細_CSV_UTF8_カンマ_見出しあり
名前に出力の条件を入れておくと、定義が増えても見分けやすくなります。保存した定義は、次回ウィザードで「設定」画面を開き、「定義」ボタンから呼び出せます。
6. 出力を完了する
「OK」で設定画面を閉じ、ウィザードを最後まで進めて「完了」を押します。
「エクスポート操作の保存」との違い
出力が終わると、「エクスポート操作の保存」にチェックを入れるかどうかを聞かれます。これは、エクスポート定義とは別の機能です。
| 保存するもの | 中身 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| エクスポート定義 | 区切り文字・引用符・文字コード・日付の形式などの形式 | 同じ形式で、別のテーブルやクエリも出力したい |
| エクスポート操作 | 出力元・出力先のファイル名・形式を含む操作全体 | 同じものを同じ場所へ定期的に出力したい |
エクスポート操作を保存すると、「外部データ」タブの「保存済みのエクスポート」から、同じ出力をすぐに実行できます。出力先のファイル名も固定されるため、前回のファイルを上書きしてよいかを運用で決めておいてください。
どちらか一方だけでもかまいませんが、エクスポート定義は、ウィザードを使わない方法で出力するときにも形式の指定として使えるため、残しておくと後で役に立ちます。
出力したファイルを確かめる
CSVをExcelで開くと、Excel側で日付や数値の見た目が変わるため、出力が正しいか判断できません。テキストエディタで開いて確かめます。
- 1行目の見出しが、求められている列名・順番になっている
- 区切り文字が指定どおり(カンマかタブか)
- 引用符が、指定どおりの列に付いている
- 日本語が文字化けしていない(エディタで表示される文字コードも見る)
- 日付に余計な時刻(
0:00:00など)が付いていない - 小数の桁数が、元のデータと同じになっている
- データの行数が、クエリの件数と一致している(見出しがあれば行数は件数+1)
- データ内のカンマや改行で、行や列がずれていない
日付に時刻が付く、小数の桁数が変わるといった場合は、出力用クエリで書式を指定する必要があるかもしれません。その場合は、どの列がどう変わったかを記録してから対処してください。
最後に、受け取る側で実際に取り込み、件数と主な列の値(合計金額など)が合っているかを確かめれば、定義をそのまま繰り返し使えます。
