返信するとき、引用の形は3つあります。元のメールを下にそのまま残す、質問の部分だけ抜き出して答える、引用せず本文だけ書く、の3つです。どれか1つが正解というわけではありません。相手、やり取りの回数、質問の数によって向いている形が変わります。この記事では、判断の目安とそれぞれの書き方、答え漏れを防ぐ確認方法をまとめます。

3つの形の違い

形 向いている場面 注意点
全文を残す 相手や関係者が経緯を追えるようにしたい/途中から読む人がいる 往復が増えると長くなり、新しい本文が埋もれる
必要な部分だけ引用して答える 質問や確認事項が複数ある/答えを質問のすぐ下に置きたい 相手の文章を書き換えない。省いたことが分かるようにする
引用しない 質問が1つで答えが短い/やり取りが続いていて文脈が明らか 何への返事か分かる一文を冒頭に入れる

引用の慣習は、社内か社外か、どの業界かによって違います。相手がどの形で送ってくるかに合わせるのも、一つの基準です。

どれを使うか判断する目安

次の順に考えると決めやすくなります。

  1. 途中から加わる人や、後で読み返す人がいるか
    CCに新しい人を入れる、上長に転送されるかもしれない、といった場合は全文を残すほうが親切です。
  2. 相手の質問はいくつあるか
    質問や確認事項が3つ以上ある、または箇条書きで並んでいるときは、部分引用して1つずつ答えます。答え漏れを防ぎやすい形です。
  3. 往復は何回目か
    同じ件で何往復もしていて、直前のメールへの短い返事なら、引用なしで足りることが多いです。ただし、設定によっては返信時に全文が自動で付くメールソフトもあります。残すか消すかを意識して選びます。
  4. 引用部分に、今の宛先に見せてはいけない内容がないか
    たとえば社内向けのやり取りが下に残ったまま、社外の人を宛先に加えるような場合です。過去の本文を読み返してから送ります。

全文を残すときの書き方

日本語のビジネスメールでは、新しい本文を上に書き、元のメールを下に残す形がよく使われます。

  • 本文は上だけで完結させる。「下記の件ですが」で始め、答えは上にすべて書く
  • 元のメールの中身は編集しない
  • 何往復も重なって長くなったら、本文の冒頭で要点を短くまとめ直す

返信では、元の添付ファイルは引き継がれないのが一般的です。相手が以前の添付を見る必要があるなら、再添付するか、どのメールの添付かを本文に書きます。使っているメールソフトの動作は、設定画面や公式ヘルプで確認してください。

必要な部分だけ引用して答える書き方

質問のすぐ下に答えを書く方法で、「インライン回答」とも呼ばれます。

書き方の例

〇〇様

お世話になっております。△△です。
ご質問の3点について、以下に回答いたします。

> 1. 納品日は今月20日で確定でしょうか。

はい、20日の午前中に納品いたします。

> 2. 請求書は納品日と同じ日付になりますか。

月末締めのため、請求書の日付は今月末日となります。

> 3. 追加で2部お願いすることは可能ですか。

可能です。単価は前回と同じで、納品日も20日に合わせられます。
数量が決まりましたらご連絡ください。

以上、よろしくお願いいたします。

書くときのルール

  • 引用記号をそろえる:行頭に「> 」を付けるのが一般的です。引用部分を縦線や色で表示するメールソフトもありますが、相手の環境では色が消えることがあります。記号や「【回答】」のような目印でも区別できるようにしておきます。
  • 相手の文章は変えない:要約したいときは引用にせず、「納品日についてのご質問ですが」のように自分の言葉で書きます。
  • 省いた部分を示す:長い本文の一部だけを引用するなら、「(中略)」を入れます。または、引用の後に元のメール全文を残しておきます。
  • 冒頭にひとこと添える:「ご質問の3点について、以下に回答いたします」「行間にて失礼します」など、インラインで答えていることが分かる一文を入れます。
  • 答えられない質問も飛ばさない:その質問の位置に「確認中のため、〇日までにご連絡します」と書いて残します。

引用しないときの書き方

引用を付けない場合は、何に対する返事かを本文で示します。

  • 「先ほどの納品日のご確認について、20日で問題ありません。」
  • 「本日いただいたお見積りの件、社内で確認のうえ金曜日までにご返事します。」

相手の質問をそのまま繰り返す必要はありません。ただ、何の件か、どの日付・金額の話かを一言入れておくと、後から読み返しても誤解されにくくなります。

答え漏れを防ぐ確認

答え漏れが起きやすいのは、文章の途中に質問が混ざっている場合です。送る前に次の手順で確認します。

  1. 元のメールから、質問・依頼・確認事項を全部抜き出して番号を振る。箇条書きになっていない、文中の「〜でしょうか」「〜いただけますか」も拾う
  2. 自分の返信に、各番号に対応する答えがあるかを1つずつ照らし合わせる
  3. 答えが「確認中」のものは、いつまでに返すかが書いてあるかを見る
  4. 添付を求められていたら、実際に添付されているかを見る

質問の数と答えの数が一致すれば、少なくとも抜けはないと分かります。

迷ったときの決め方

  • 相手が部分引用で送ってきた → 同じ形で返す
  • 質問が1つで、短く答えられる → 引用なしで、何の件かを一文入れる
  • 質問が複数ある → 部分引用して1つずつ答え、下に元の全文を残す
  • 新しく人を宛先に加える → 全文を残す。ただし過去の本文を読み返してから送る
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