Power Queryのクエリを更新すると、「クエリと接続」ウィンドウに「ダウンロードに失敗しました」と出ることがあります。この表示からわかるのは、読み込みが途中で止まったことだけです。原因までは書かれていません。手がかりはエラーの詳細にあります。まず詳細を開き、メッセージの種類を見ながら原因を順に絞り込みます。

まずエラーの詳細を表示する

設定を触る前に、Excelが表示しているエラーの内容を確認します。

  1. 「データ」タブの「クエリと接続」をクリックし、右側にウィンドウを表示する。
  2. 「ダウンロードに失敗しました」と出ているクエリにマウスポインターを合わせる。多くの場合、表示されるプレビューにエラーメッセージが出ます(表示のされ方はExcelのバージョンによって異なります)。
  3. クエリをダブルクリックして、Power Queryエディターを開く。
  4. 右側の「適用したステップ」を、一番上から1つずつクリックする。
  5. 画面上部にエラーや警告の表示が最初に出たステップで、処理が止まっています。

メッセージの先頭には、たいてい「DataSource.Error」「Expression.Error」「DataFormat.Error」などの分類名が付いています。これが最初の手がかりです。本文の言い回しはバージョンや言語設定で変わります。そのため、分類名と、何が「見つからない」「変換できない」と書かれているかで判断します。

詳細に出る内容(例) 主に疑う原因 見るステップ
DataSource.Error/ファイルやパスが見つからない 元ファイルの移動・名前の変更、ドライブにつながっていない ソース
DataSource.Error/別のプロセスが使用中 元ファイルを開いたまま、同期中 ソース
Expression.Error/キーがどの行とも一致しない シート名・テーブル名の変更 ナビゲーション
Expression.Error/列が見つからない 列名の変更・削除、見出し行のずれ 変更された型、名前が変更された列など
DataFormat.Error/変換できない データ型の変換エラー 変更された型

表のステップ名は既定の名前です。名前を変えている場合は、エラーが出たステップを選び、数式バーで中身を確認してください。

確認する順番

原因が1つとは限りません。読み込みの入口に近いものから確認します。ファイル自体が読めていないうちは、列名やデータ型の問題を確かめられないからです。

  1. 元ファイルの場所・名前
  2. 元ファイルを開いたままにしていないか
  3. シート名・テーブル名・列名
  4. データ型の変換エラー

1. 元ファイルの場所・名前が変わっていないか

Power Queryは、クエリを作ったときのファイルパスを覚えています。ファイルを別のフォルダーへ移したり、ファイル名やフォルダー名を変えたりすると、次の更新で読み込めなくなります。

エディターで「ソース」ステップを選ぶと、数式バーに次のようなパスが表示されます。

= Csv.Document(File.Contents("C:\データ\売上\売上_2026-09.csv"), [Delimiter=",", Encoding=65001])

このパスを、エクスプローラーで見た実際の場所と比べます。ファイルを右クリックして「パスのコピー」を使えば、打ち間違いなく比べられます。

直し方は2つあります。

  • 「データ」タブ →「データの取得」→「データソース設定」を開く。該当するソースを選び、「ソースの変更」で新しい場所を指定する。
  • エディターで「ソース」ステップの歯車アイコン(または数式バー)から、ファイルパスを指定し直す。

同じブックを別の人のパソコンで更新したときにも、このエラーが出ることがあります。デスクトップやOneDriveの同期フォルダーのように、パスにユーザー名が含まれていると、ほかの人の環境には同じパスがないためです。ネットワークドライブを使っている場合は、そのドライブにつながっているかも確認します。

2. 元ファイルを開いたままにしていないか

元のCSVやブックを別のExcelウィンドウやほかのアプリで開いていると、使用中のファイルとして扱われ、読み込めないことがあります。詳細に「別のプロセスが使用中」といった内容が出ていれば、これが原因の可能性が高いです。

  • 元ファイルを開いているウィンドウをすべて閉じ、もう一度更新する。
  • 共有フォルダーのファイルなら、ほかの人が開いていないか確認する。
  • OneDriveやSharePointと同期しているフォルダーなら、同期が終わっているか確認する。オンラインのみの状態になっておらず、ファイルがパソコン上にあるかも見る。

ファイルを閉じてから更新して成功すれば、原因はこれだったと判断できます。

3. シート名・テーブル名・列名が変わっていないか

ファイルは読めているのに止まる場合は、ファイル内の「名前」の変更を疑います。

シート名・テーブル名

Excelブックを読み込むクエリでは、「ナビゲーション」ステップにシート名やテーブル名が書かれています。

= ソース{[Item="Sheet1",Kind="Sheet"]}[Data]

元のブックでシート名を「Sheet1」から「9月」に変えると、この指定と一致しなくなり、Expression.Errorになります。シート名を元に戻すか、この部分を新しい名前に書き換えます。

列名

データ型の変更、列の削除、列名の変更、並べ替えなどのステップには、列名がそのまま書き込まれています。たとえば「変更された型」ステップは次のようになっています。

= Table.TransformColumnTypes(昇格されたヘッダー数,{{"売上日", type date}, {"金額", Int64.Type}})

元データの見出しが「金額」から「金額(税込)」に変わると、「列 '金額' が見つからない」という内容のエラーで止まります。詳細に出ている列名を控えて、元データの見出しと見比べてください。

  • 意図しない見出しの変更なら、元データの見出しを元に戻す。
  • 見出しの変更が正しければ、エラーが出たステップの数式で列名を書き換える。
  • 同じ列名が複数のステップに出てくる場合は、上のステップから順に直す。

見出しの上にタイトル行や空行が追加された場合も、見出しとして使われる行がずれます。列名が「Column1」などに変わり、同じエラーになります。「ソース」の次のステップでデータの先頭行を見て、見出し行の位置がずれていないかも確認します。

4. データ型の変換エラーがないか

数値の列に「-」や「未定」が入った場合や、日付の列に違う形式の日付が混ざった場合は、データ型の変換に失敗します。

変換に失敗したセルは「Error」として残ります。更新そのものは完了し、「○行読み込まれました」「○個のエラー」と表示されることもあります。ただし、エラーを含む列を後のステップで並べ替え・絞り込み・結合などに使っていると、クエリ全体が止まる場合があります。どちらの場合も、確認の方法は同じです。

  1. エディターで「変更された型」ステップを選ぶ。
  2. 「表示」タブの「列の品質」にチェックを入れ、各列の上に出る「エラー」の割合を見る。
  3. エラーのある列を選び、「ホーム」→「行の保持」→「エラーの保持」で、エラーの行だけを表示する。
  4. 「Error」と表示されたセルの余白をクリックし、下に出る詳細で、変換できなかった値を確認する。

更新が完了してエラーの件数が出ている場合は、「クエリと接続」ウィンドウでその件数をクリックします。エラーの行を確認するためのクエリが作られます。

原因の値がわかったら、まず元データの入力が正しいかを確認します。元データが正しく、全角数字や桁区切り、日付の並び順といった表記の違いが原因なら、列の型を指定し直す、「ロケールを使用」して型を変更する、などの対応を検討します。エラー値を別の値に置き換えると、元データの誤りが見えなくなることがあります。置き換える前に、何件・どの値がエラーだったかを控えておきます。

直したあとに確認すること

エラーが消えたら終わり、ではありません。読み込まれた結果も確かめます。

  • 「データ」タブの「すべて更新」で、ほかのクエリも含めてエラーが出ないか。
  • 「クエリと接続」ウィンドウに出る読み込み行数が、元データの行数と合っているか。
  • エラーの件数が0になっているか。残っている場合、その理由を説明できるか。
  • このクエリを参照している別のクエリやピボットテーブルも、更新されているか。

それでも原因がわからないとき

  • 詳細にプライバシーレベル、資格情報、アクセス権に関する内容が出ている場合は、ここまでの4つとは別の原因です。メッセージの分類名と本文を控え、Microsoftのサポート情報で調べるか、社内の管理者に相談します。
  • 同じ元ファイルを読み込むクエリを、新しく一から作ってみます。新しいクエリで更新できるなら、元のクエリのステップに原因があります。新しいクエリも失敗するなら、ファイルそのもの、保存場所、権限を疑います。
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