Excelのマクロ記録は、同じクリックや書式操作を繰り返す作業に向いています。記録するとVBAコードとして操作が保存され、再実行できます。
この記事では、VBAを書かずに、マクロ記録で操作を保存して再実行するまでの手順を、実際の操作に沿って説明します。毎月・毎日同じクリックや書式設定を繰り返している人向けです。
先に結論
- マクロ記録は「毎回同じ手順・同じ形の表」の作業に向いています。表の形が毎回変わる作業には向きません。
- 記録と試運転は必ずテスト用のコピーで行います。マクロで行った変更は「元に戻す(Ctrl+Z)」で取り消せません。
- 保存は「Excel マクロ有効ブック(.xlsm)」で行います。
ここではWindows版Excelの画面で説明します。Mac版では表記や場所が異なる場合があり、Web版のExcelではこの方法でのマクロ記録はできません。
事前準備:開発タブを表示する
- 「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」を開く。
- 右側の「メイン タブ」の一覧で「開発」にチェックを入れ、「OK」を押す。
開発タブを表示しなくても、「表示」タブ →「マクロ」→「マクロの記録」から記録を始めることもできます。
手順1:記録する作業を書き出す
記録中の操作はすべてそのまま保存されるため、先に手順を決めておきます。例:
- 1行目(見出し行)を選択して太字にする。
- A列全体を選択し、「セルの書式設定」で日付の表示形式を
yyyy/mm/ddにする。 - A〜F列を選択し、列幅を自動調整する。
範囲を選ぶときは、「A1:A100」のようにドラッグで選ぶより、列見出し(A、Bなど)をクリックして列全体を選ぶほうが、行数が変わっても処理漏れが起きにくくなります。
手順2:記録を開始する
- 対象ファイルのテスト用コピーを開く。
- 「開発」タブの「相対参照で記録」は、記録を始める前に設定しておく。
- オフ(既定):常に同じセル番地(例:A1)に対して操作が記録される。毎回同じ位置にある表を処理するならこちら。
- オン:記録開始時に選択していたセルを基準にした位置で記録される。選んだ場所から処理を始めたい場合はこちら。
- 「開発」タブ →「マクロの記録」をクリックする。
- 表示されたダイアログで次の項目を設定する。
- マクロ名:
月次書式整形のように内容がわかる名前にする。空白は使えないため、区切りたいときは_を使う。 - ショートカットキー:任意。小文字で入力すると「Ctrl+文字」になり、
Ctrl+Cなどの既存のショートカットを上書きしてしまうことがあるため、大文字で入力して「Ctrl+Shift+文字」にするのが無難です。 - マクロの保存先:通常は「作業中のブック」。どのブックでも使いたい場合は「個人用マクロ ブック」を選ぶ。
- 説明:何をするマクロか、どの形の表に使うかを書いておく。
- 「OK」を押すと記録が始まる。
手順3:作業を1回だけ行い、記録を終了する
- 書き出した手順どおりに操作する。迷って選び直したセルや余分なクリックも記録されるため、手順を見ながら進める。
- 終わったら「開発」タブ →「記録終了」をクリックする。
手順4:別のデータで再生して確認する
- 別の月のデータ(同じ形の表)のテスト用コピーを開く。
- 「開発」タブ →「マクロ」(または
Alt+F8)を開き、マクロ名を選んで「実行」を押す。 - 記録時と同じ結果になるか、元データの値が変わっていないかを確認する。
- 行数が多い月・少ない月のデータでも試す。
記録された内容は、「開発」タブ →「Visual Basic」(または Alt+F11)で開く画面の「標準モジュール」で確認できます。Range("A1:F100") のように固定の範囲が書かれていれば、行数が増えたときに処理漏れが起きます。その場合は、手順1のように列全体を選んで記録し直します。
手順5:マクロ有効ブックとして保存する
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選ぶ。
- ファイルの種類で「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」を選んで保存する。
通常の「Excel ブック(.xlsx)」で保存するとマクロは保存されません。次に開いたときにセキュリティの警告が表示された場合は、自分で作ったマクロであることを確認してから「コンテンツの有効化」を押します。メールやインターネットから入手したファイルのマクロは既定でブロックされることがあるため、社内で配布する場合は社内のルールに従ってください。
実務での確認チェック
- [ ] 相対参照/絶対参照の設定が意図どおりか
- [ ] 元データのバックアップを取ったか
- [ ] マクロ有効ブック(.xlsm)で保存したか
- [ ] 同じ入力で同じ結果になるか
- [ ] 行数が違うデータでも処理漏れがないか
具体例
毎月「A列の日付形式を統一→見出しを太字→列幅を調整」のような固定操作は記録向きです。一方、毎回列構成が違う処理は、記録したマクロをそのまま使うと別の列を書き換えてしまうため、別の方法を検討します。
よくある失敗
- 元データで直接記録・実行する:マクロの変更は元に戻せないため、失敗すると手作業で直すしかありません。
- 相対参照の設定を意識せずに記録する:別の場所で実行したときに、意図しないセルが書き換わります。
- .xlsxで保存してマクロが消える:保存時の警告を読み飛ばすと、記録した内容が失われます。
- ショートカットキーが既存の操作とぶつかる:
Ctrl+Cなどを割り当てると、そのブックを開いている間は通常のコピーが使えなくなります。
このページでは扱わないこと
- VBAコードを手で書いて処理を作る方法
- Web版Excelでの自動化(Web版で操作を記録したい場合は、アクションレコーダーでOffice Scriptを作る方法の記事を参照してください)
関連ページ
- ExcelのアクションレコーダーでOffice Scriptを作る方法
- 無料ツール一覧
- Excel・CSVの記事一覧
参考
- Microsoft サポート:マクロ記録によるタスクの自動化(Automate tasks with the Macro Recorder)
確認日: 2026-09-28
