一般課税の比較で『経費が100万円あるから、その消費税は全部控除できる』とは限りません。まず支出が課税仕入れ等に当たるか、保存要件を満たすかを確認します。

このページは一般的な制度確認のための整理です。個別の税務判断を自動確定するものではありません。2026年9月29日時点で国税庁の一次資料を確認しています。

先に確認すること

  1. 支出を取引単位で一覧化する。
  2. その支出が課税仕入れか、非課税・免税・給与等かを分ける。
  3. 適用税率を確認する。
  4. 帳簿と請求書等の保存要件を確認する。
  5. 免税事業者等からの仕入れなら経過措置の対象期間・割合等を確認する。
  6. 最終的な仕入控除税額の計算へ渡す。

重要な制度ポイント

1. 仕入税額控除は、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除して計算する仕組みです。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.6451

2. 課税仕入れとは、事業として他の者から資産を譲り受け、借り受け、または役務の提供を受けることです。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.6451

3. 非課税・免税となる取引や給与等の支払は、課税仕入れには含まれません。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.6451

4. 仕入税額控除には原則として、区分経理に対応した帳簿と請求書等の保存が必要です。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.6496、No.6498

5. インボイス制度では、免税事業者等からの一定の仕入れに経過措置があります。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.6498

支出例ごとの確認

課税仕入れの定義と、課税仕入れに含まれないものに照らして支出を分けます。

支出の例 確認の結果・観点
従業員に支払う給与・賃金 給与等の支払は課税仕入れに含まれないため、仕入税額控除の対象外
事業用の商品・備品を他の事業者から購入した代金 事業として他の者から資産を譲り受けているため、課税仕入れの候補。非課税・免税に当たらないか、帳簿・請求書等の保存要件を満たすかを確認する
事業用の資産を借りるための賃借料(リース料など) 事業として他の者から資産を借り受けているため、課税仕入れの候補。借りる資産の種類によって非課税に当たる場合がないかを確認する
外注費・業務委託料など、他の事業者から受けたサービスの対価 事業として役務の提供を受けているため、課税仕入れの候補。給与等に当たらないか、保存要件を満たすかを確認する
保険料、住宅の家賃、租税公課など 課税仕入れの定義(資産の譲受け・借受け、役務の提供)に当たるか、非課税・免税に当たるかを支出ごとに国税庁資料で確認する。この記事では判定を確定しない
免税事業者等から購入した商品・サービスの代金 課税仕入れの候補であっても、インボイス制度の経過措置の対象期間・割合を確認する

確認シート

支出ごとに次の項目を記録します。

  1. 支出日・支払先・金額・内容
  2. 課税仕入れの候補か、非課税・免税・給与等で課税仕入れに含まれないか、個別確認が必要か
  3. 適用税率
  4. 帳簿と請求書等の保存状況
  5. 支払先が免税事業者等の場合の経過措置の適用
  6. 判断に使った国税庁資料と確認日

後から制度変更や記帳ミスが見つかったときに、どの支出をどの根拠で控除対象と判断したかを追えるようにするためです。

注意する境界

簡易課税では実際の課税仕入れ額ではなく、みなし仕入率を使うため、この記事の確認手順をそのまま納付税額計算へ使いません。

参照した国税庁一次資料

  • 国税庁 タックスアンサーNo.6451: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6451.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.6496: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6496.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.6498: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm
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