依頼した返事や資料、確認結果が届かないとき、催促のメールを送るのは気が重いものです。しかし、返事がない理由は相手が怠けているからとは限りません。メールが埋もれている、迷惑メールに振り分けられた、担当者が不在、何を返せばよいか分からず止まっている、などの事情もよくあります。
催促メールでは、相手を責めることよりも、相手がこの1通だけを読んで返事を書ける状態にすることを優先します。そのために、次の3つを1通に入れます。
- 何について、いつ送ったメールか(再送の理由)
- 何を返してほしいか(必要な返答)
- いつまでに必要か(新しい回答期限)
送る前に確認すること
催促してから「もう返事が来ていた」「そもそも期限を書いていなかった」と分かると、気まずくなるうえ、相手からの信頼も下がります。送る前に次の点を確認します。
1. 返事がすでに届いていないか
- 迷惑メールフォルダや、自動で振り分けられるフォルダに入っていないか
- 件名を変えて返信されていないか(相手の名前や会社名で検索する)
- 自分宛てではなく、CCに入っていた別の人に返信されていないか
- メール以外の連絡手段(チャット、電話のメモ、共有フォルダ)で届いていないか
2. 元のメールの内容
元のメールを開き、次の点を確かめます。
| 確認項目 | 見るところ | 問題があった場合 |
|---|---|---|
| 宛先 | アドレスに誤りがないか | 正しい宛先へ「催促」ではなく「送り直し」として送る |
| 期限 | 期限を書いていたか、すでに過ぎているか | 期限を書いていなければ、今回初めて期限を伝える形にする |
| 依頼内容 | 何を返してほしいか明確だったか | 分かりにくかった場合は、今回のメールで具体的に書き直す |
| 添付ファイル | 添付やリンクが正しかったか | 自分のミスなら、お詫びして送り直す |
元のメールに期限を書いていなかった場合、相手は期限を過ぎたとは考えていません。その場合は「催促」ではなく、「お手数ですが、○日までにいただけると助かります」と期限を伝える依頼として送ります。
3. 催促する時期
期限を書いていた場合は、期限を過ぎた翌営業日ごろが一般的な目安です。期限を書いていなかった場合は、依頼の内容と相手の状況によりますが、数営業日たっても反応がなければ、一度確認の連絡を入れてよいでしょう。こちらの作業の都合でどうしても急ぐ場合は、期限の前に「念のため」と確認しておく方法もあります。
催促メールの構成
1通の中で、次の順に書きます。
| 順番 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 件名 | 【再送】元の件名 |
| 2 | 書き出し(行き違いへの配慮) | 行き違いでしたら申し訳ありません |
| 3 | 元のメールの特定 | 10月2日にお送りした「○○」の件 |
| 4 | 必要な返答 | ○○について、可否をお知らせください |
| 5 | 新しい回答期限と理由 | ○日までに。△△の準備に必要なため |
| 6 | 返事をしやすくする一言 | 一部だけでも/難しい場合はその旨だけでも |
| 7 | 元のメール(引用または転送) | 元の本文を下に付ける |
件名
元のメールに返信する形で送り、件名の先頭に【再送】などを付けます。元の件名を残すと、相手が元のメールと並べて見つけやすくなります。
【再送】【ご回答のお願い】展示会の出展可否について
角を立てない書き出し
書き出しでは、相手が返事を忘れていると決めつけないようにします。よく使われる表現は次のとおりです。
- 「行き違いでしたら申し訳ありません。」
- 「ご多忙のところ恐れ入ります。」
- 「念のため、再度ご連絡いたしました。」
避けたいのは、「まだご返信をいただけていないようですが」「先日もお願いしましたが」のように、相手の落ち度を強調する書き方です。事実は伝えつつ、相手が返事をしやすい書き方を選びます。
必要な返答を具体的にする
催促しても返事がない原因の1つは、相手が「何を返せばよいか」を把握していないことです。元のメールが長かった場合は、返してほしいことだけを箇条書きにし直します。
以下の2点についてお知らせください。
・展示会への出展の可否
・出展される場合、ブースの希望サイズ(小・中・大)
「ご確認ください」ではなく、「可否」「希望サイズ」のように、相手が答えるべき項目を書きます。
新しい回答期限と理由
期限を過ぎている場合は、新しい期限を示します。日付だけでなく、なぜその日までに必要なのかを短く添えると、相手が優先順位を判断しやすくなります。
恐れ入りますが、10月9日(金)までにご回答いただけますでしょうか。
13日(火)に主催者へ出展者数を報告するため、それまでに取りまとめる必要があります。
期限は、相手が対応できる余裕を残して設定します。メールを送った当日や翌朝を期限にすると、相手に無理を強いることになります。
返事をしやすくする一言
相手が返事を先延ばしにしている理由が「まだ全部そろっていない」「判断できない」という場合もあります。そのため、途中経過でも返事をしてよいと伝えておくと、相手は返信しやすくなります。
- 「現時点で分かっている範囲でも構いません。」
- 「ご判断が難しい場合は、その旨と見通しだけでもお知らせください。」
- 「ご担当が変わられている場合は、お手数ですがご担当の方をお教えいただけますと幸いです。」
例文1:回答の催促(1回目)
件名:【再送】【ご回答のお願い】展示会の出展可否について
○○株式会社
営業部 佐藤様
いつもお世話になっております。
△△株式会社の山田です。
10月2日にお送りした、展示会の出展可否についてのご依頼を
念のため再送いたします。
行き違いでご連絡をいただいておりましたら、申し訳ありません。
以下の2点についてお知らせください。
・展示会への出展の可否
・出展される場合、ブースの希望サイズ(小・中・大)
恐れ入りますが、10月9日(金)までにご回答いただけますでしょうか。
13日(火)に主催者へ出展者数を報告するため、取りまとめが必要です。
ご判断が難しい場合は、その旨と見通しだけでもお知らせいただけますと助かります。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
(以下、10月2日にお送りしたメール)
例文2:資料の提出の催促
件名:【再送】【ご提出のお願い】10月分作業報告書
○○様
お疲れさまです。△△の山田です。
10月1日にお願いした、10月分の作業報告書について再度ご連絡いたします。
行き違いでしたらご容赦ください。
月末の請求処理に使用するため、
10月14日(水)までにお送りいただけますでしょうか。
報告書の一部がまだ確定していない場合は、
確定している部分だけ先にお送りいただいても構いません。
よろしくお願いいたします。
例文3:確認結果の催促(期限を書いていなかった場合)
元のメールで期限を書いていなかった場合は、「期限を過ぎた」とは書かず、期限を新たに伝える形にします。
件名:Re: 【ご確認のお願い】Webサイト改修案
○○様
いつもお世話になっております。△△の山田です。
先日お送りしたWebサイト改修案について、ご確認の状況はいかがでしょうか。
制作の日程を確定させるため、
10月16日(金)までにご確認の結果をいただけますと助かります。
修正のご希望がある場合も、同じ日までにお知らせいただければ反映いたします。
ご不明な点があれば、お気軽にお知らせください。
2回目以降の催促で変えること
1回目の催促にも返事がない場合、同じ文面を繰り返し送っても状況は変わりにくいものです。2回目以降は次の点を変えます。
| 変える点 | 1回目 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 元のメールの示し方 | 最初に送った日付 | 最初に送った日と前回の催促の日の両方 |
| 文面の長さ | 依頼内容を改めて説明する | 短くし、必要な返答と期限だけにする |
| 連絡手段 | メール | メールに加えて電話やチャットも検討する |
| 期限の伝え方 | 理由を添えて依頼する | 期限を過ぎた場合にどうなるか(こちらで進める、今回は見送る、など)を伝える |
| 宛先 | 担当者のみ | 必要に応じて相手の部署の代表窓口などに確認する |
2回目以降の例文です。
件名:【再送】【ご回答のお願い】展示会の出展可否について
○○株式会社
営業部 佐藤様
いつもお世話になっております。△△の山田です。
10月2日と10月9日にご連絡した、展示会の出展可否について再度ご連絡いたします。
主催者への報告期限が迫っているため、
10月13日(火)正午までに、出展の可否だけでもお知らせいただけますでしょうか。
期限までにご連絡がない場合は、今回は出展を見送られるものとして
主催者へ報告させていただきます。
メールが届いていない可能性もあるため、
本日中に改めてお電話でもご連絡いたします。
期限を過ぎた場合の扱いを伝えるときは、脅すような書き方にならないよう、事実として淡々と書きます。上司や関係者をCCに入れると相手は対応しやすくなる場合がありますが、相手に圧力をかける印象も与えます。入れるかどうかは、相手との関係や社内のルールに合わせて判断してください。
送信前のチェックリスト
- 返事がすでに届いていないか、迷惑メールや他の連絡手段も確認した
- 元のメールの宛先・添付に誤りがなかった
- 元のメールに期限を書いていたかどうかを確認し、それに合った書き方にした
- 件名に【再送】を付け、元の件名を残した
- 書き出しで、相手の落ち度を決めつけていない
- 何を返してほしいかを箇条書きで書いた
- 新しい期限は、相手が対応できる余裕のある日にした
- 期限の日付と曜日が一致している
- 期限が必要な理由を1文で添えた
- 一部だけでも、見通しだけでも返事をしてよいと伝えた
- 元のメールを引用または転送で付けた
