依頼メールの件名は、相手が受信一覧を見たときに「何を、いつまでに、返信が必要か」を判断するための情報です。本文を開かなければ用件が分からない件名だと、相手は後回しにしやすくなり、期限ぎりぎりになってから気づかれることもあります。
この記事では、依頼メールの件名に入れる要素と順番、【】の使い方、長さの目安を整理し、再送や期限変更のときの件名の変え方も例で示します。
件名に入れる4つの要素
依頼メールの件名には、次の4つを入れます。
| 要素 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 対応の種類 | 相手に何をしてほしいか | ご確認のお願い/ご回答のお願い/ご提出のお願い |
| 対象 | どの案件・書類についてか | 10月分請求書/A社向け提案書 |
| 期限 | いつまでに必要か | 10/16(金)まで |
| 差出人 | 誰からか(社外で必要な場合) | ○○株式会社 山田 |
このうち対応の種類と対象は必ず入れます。期限があるなら期限も入れます。差出人は、メールの差出人名で分かる場合は省いてかまいません。初めての相手や、個人名だけでは会社が分からない場合には入れます。
順番は「対応の種類 → 対象 → 期限」
受信一覧では件名の後半が切れて表示されることがあります。そのため、相手が最初に判断したい情報から順に並べます。
【対応の種類】対象+用件(期限)
例:
【ご確認のお願い】10月分請求書の金額(10/16(金)まで)
【ご回答のお願い】展示会の出展可否について(10/9(金)まで)
【ご提出のお願い】年末調整の書類(10/20(火)まで)
期限を件名の末尾に置く場合、一覧で切れて見えなくなることがあります。期限が特に重要な依頼では、次のように前に出してもかまいません。
【10/9(金)締切】展示会の出展可否のご回答のお願い
ただし、この形を毎回使うと、どれが本当に急ぎなのか区別がつかなくなります。期限が近い依頼や、遅れると影響が大きい依頼に限定します。
【】の使い方
【】(隅付き括弧)は、件名の中で「何をしてほしいメールか」を目立たせるために使います。使い方のルールは次のとおりです。
- 1つの件名に1つまで:【至急】【ご確認】【10/16締切】のように並べると、かえって読みにくくなります。2つ必要な場合は、1つにまとめられないか考えます。
- 中身は対応の種類か期限にする:【ご確認のお願い】【ご回答のお願い】【10/16締切】など、相手の行動に関わる内容を入れます。【○○株式会社】のように会社名を入れると、用件が後ろに押し出されます。
- 【至急】【重要】はめったに使わない:理由のない【至急】は相手の都合を考えていない印象を与えます。使うときは、本文の最初になぜ急ぐのかを書きます。
社内では【確認依頼】【要返信】のような短い表記が使われることもあります。社外の相手には【ご確認のお願い】のように丁寧な形にするのが無難です。職場で決まった表記があれば、それに合わせます。
返信の要否を件名で伝える
依頼メールでは「返信が必要か」が分かると、相手は対応の優先順位を付けやすくなります。
| 相手にしてほしいこと | 件名での表し方 |
|---|---|
| 内容を確認して返事をしてほしい | 【ご確認のお願い】【ご回答のお願い】 |
| ファイル・書類を送ってほしい | 【ご提出のお願い】【ご送付のお願い】 |
| 読んでおいてほしいだけで返信は不要 | 【ご共有】【返信不要】 |
| 日程を選んでほしい | 【日程調整のお願い】 |
「ご確認ください」だけだと、読めば終わりなのか、返事が必要なのかが分かりません。返事が必要なら「ご回答のお願い」、確認した結果を知らせてほしいなら「ご確認とご返信のお願い」のように、相手の行動が分かる言葉を選びます。
長さの目安
受信一覧に表示される件名の文字数は、メールソフト・画面の幅・スマートフォンかパソコンかによって変わります。そのため、何文字までなら必ず表示されるとは言えません。目安として、次のように考えます。
- 最初の20文字前後で用件が分かるようにする:表示が短い環境でも、対応の種類と対象までは読めるようにします。
- 全体は30〜40文字程度に収める:長くなる場合は、本文に回せる情報がないか見直します。
- 詳細は本文に書く:数量や条件、背景などは件名に入れません。
長すぎる件名の例と、短くした例です。
| 長すぎる | 短くした |
|---|---|
| 先日お打ち合わせさせていただいた来期の販促キャンペーンの企画書につきまして内容のご確認をお願いしたくご連絡いたしました | 【ご確認のお願い】来期販促キャンペーン企画書(10/16(金)まで) |
よくある件名の失敗と直し方
| 失敗例 | 何が困るか | 直した例 |
|---|---|---|
| お願い | 何の依頼か分からない | 【ご提出のお願い】10月分の作業報告書 |
| ご連絡 | 依頼なのか報告なのか分からない | 【ご回答のお願い】次回打ち合わせの参加可否 |
| 先日の件 | 相手がどの件か思い出せない | 【ご確認のお願い】10/2打ち合わせ議事録 |
| 山田です | 差出人しか分からない | 【ご確認のお願い】見積書(山田/○○株式会社) |
| 【至急】【重要】確認お願いします | 何を急ぐのか分からない | 【10/7(水)締切】契約書の修正箇所のご確認 |
| Re: Re: Re: 打ち合わせの件 | 別の依頼が埋もれる | 新しい依頼は新しい件名で送る |
最後の例のように、やり取りが続いているスレッドで別の依頼をすると、件名と内容が合わなくなります。依頼の内容が変わったときは、新しいメールとして件名を付け直すほうが、相手が後から探しやすくなります。
社内・社外での使い分け
| 場面 | 件名の例 |
|---|---|
| 社外・初めての相手 | 【ご相談】Webサイト改修のお見積りについて(○○株式会社 山田) |
| 社外・やり取りのある相手 | 【ご確認のお願い】11月納品分の仕様書(10/14(水)まで) |
| 社内・他部署 | 【確認依頼】経費精算ルール改定案(10/13(火)まで) |
| 社内・チーム内 | 【要返信】来週の当番表の確認(10/9(金)中) |
社内では短く、社外では丁寧に書く、というのが基本です。ただし、社内でも相手との関係や職場の慣習によって適切な表現は変わります。
再送・期限変更・訂正のときの件名
一度送った依頼を送り直すときは、元の件名を残したまま、先頭に何が変わったかを付けます。元の件名を残しておけば、相手がメールを検索したときに、元の依頼と送り直したメールが並んで見つかります。
返事がなく再送するとき
元の件名:【ご回答のお願い】展示会の出展可否について(10/9(金)まで)
再送の件名:【再送】【ご回答のお願い】展示会の出展可否について(10/9(金)まで)
【】が2つになりますが、再送の場合は例外として許容されます。気になる場合は、次のように1つにまとめます。
【再送・ご回答のお願い】展示会の出展可否について(10/9(金)まで)
期限を過ぎてから再送する場合は、新しい期限に書き換えます。
【再送・ご回答のお願い】展示会の出展可否について(10/14(水)まで)
期限を変更するとき
【期限変更】年末調整の書類のご提出(10/20(火)→10/27(火))
変更前と変更後の両方を書くと、相手は前のメールを開かなくても何が変わったか分かります。
内容に誤りがあって送り直すとき
【訂正】【ご確認のお願い】10月分請求書の金額(10/16(金)まで)
この場合も、何をどう訂正したのかは本文の最初に書きます。
依頼を取り消すとき
【取り消し】展示会の出展可否のご回答のお願い
取り消しのメールで期限を書く必要はありません。相手がすでに対応を始めている可能性があるので、本文でそのことへのお詫びとお礼を伝えます。
送る前の確認
- 件名の最初の20文字前後で、何をしてほしいか分かる
- 対象の案件・書類名が入っている
- 期限がある場合は日付と曜日が入っている
- 日付と曜日が一致している
- 【】は1つ(再送・訂正などを除く)
- 返信が必要かどうかが分かる
- 再送・変更の場合、元の件名が残っている
- 件名と本文の期限が一致している
