1回目の催促を送っても反応がない。こういうとき、同じ文面を送り直すだけでは、状況はあまり変わりません。かといって、急に強い言葉を使うと、相手との関係がこじれることがあります。

2回目・3回目の催促では、言葉のきつさではなく、伝える情報と連絡の方法を段階的に変えていきます。この記事では、回数ごとに何を変えるかを整理したうえで、2回目と3回目の例文、電話など別の連絡手段に切り替える判断、上長をCCに入れる判断をまとめます。

回数ごとに変える4つの要素

要素 1回目(参考) 2回目 3回目
前回への言及 なし、または元の依頼に軽く触れる 前回の送信日と件名を示す これまでの連絡の日付をすべて並べる
期限 目安の日付 具体的な日付 最終の期限と、その理由、期限後どうなるか
連絡の手段 メール メール。必要に応じて別の手段で一報 電話・チャット・別の窓口も使う
共有の範囲 担当者のみ 担当者のみ。社内では上長に状況を報告 必要に応じて上長や関係者をCCに入れる

どの回でも、相手を責める言葉は使いません。変えるのは、経緯の示し方、期限の具体性、相手に届く経路の数です。

2回目を送る前に確認すること

反応がない理由は、相手が後回しにしている場合だけとは限りません。2回目を送る前に、次の点を確かめます。

  • 前回のメールが届いているか:宛先のアドレスに誤りがないか、エラーで戻ってきていないか、送信済みフォルダに残っているか
  • 相手が不在ではないか:自動応答が返ってきていないか、休暇や出張の予定を聞いていないか
  • 別の経路で返事が来ていないか:チャット、電話のメモ、相手の別の担当者からの連絡
  • 前回の依頼に分かりにくさがなかったか:何を、いつまでに、どう返せばよいかを書いていたか

前回の依頼が分かりにくかったと気づいた場合は、2回目でその点を補います。相手が返事をしなかったのではなく、返事のしようがなかった可能性もあるためです。

2回目をいつ送るかは、相手との関係や依頼の重さによって変わります。一律の目安にこだわるより、自社がいつまでに答えをもらう必要があるかから逆算して決めます。

2回目の書き方

2回目のポイントは次の4つです。

  • 前回の送信日と件名を書く:相手が受信箱を検索してすぐ見つけられるようにします。
  • 行き違いへの配慮を一言添える:「行き違いでしたら申し訳ございません」と書くと、相手がすでに対応していた場合にも角が立ちません。
  • 元の依頼を本文に再掲する:前回のメールを探さなくても、このメールだけで用件が分かるようにします。
  • 期限を具体的な日付にし、部分的な返事も受け付ける:「全部は無理でも、状況だけでも」と返事の範囲を広げると、反応を引き出しやすくなります。

2回目の例文

件名:【再送】〇〇資料ご提出のお願い(10月16日まで)

株式会社△△
高橋様

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の佐藤です。

10月1日に「〇〇資料ご提出のお願い」という件名でお送りしたメールについて、改めてご連絡いたしました。行き違いでしたら申し訳ございません。

念のため、ご依頼の内容を再掲いたします。
・ご提出いただきたいもの:〇〇資料(2026年度上期分)
・形式:PDF
・提出方法:本メールへの返信に添付

恐れ入りますが、10月16日(金)までにご提出いただけますでしょうか。
期日までのご提出が難しい場合は、現在の状況と、ご提出いただける見込みの日付だけでもお知らせいただけますと助かります。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

前回のメールに返信する形で送れば、やり取りの経緯がそのまま残ります。前回のメールが埋もれていそうな場合は、件名に【再送】などを付けた新しいメールにして、依頼の内容を再掲します。

3回目の書き方

3回目は、事実上の最終確認として送ることが多くなります。次の点を加えます。

  • これまでの連絡の経緯を日付で示す:「10月1日と10月9日にご連絡しておりますが」のように、事実だけを並べます。
  • 最終の期限と、その日が限界である理由を書く:理由があると、相手は優先度を判断しやすくなります。
  • 期限を過ぎた場合にどうなるかを書く:社内で決まっていて、実際に行う内容だけにします。
  • 別の連絡手段も使うことを伝える:「本日、お電話でもご連絡いたします」と書いておくと、電話を受けた相手がメールを探しやすくなります。
  • 相談の余地を残す:事情があって提出できない可能性もあります。提出方法や範囲を相談できると添えておきます。

3回目の例文

件名:【最終確認】〇〇資料のご提出について(10月23日まで)

株式会社△△
高橋様
(CC:弊社 課長 山本)

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の佐藤です。

〇〇資料のご提出について、10月1日と10月9日にメールでご依頼しておりましたが、現時点でご提出・ご返信を確認できておりませんので、改めてご連絡いたしました。

本資料は11月の〇〇申請に必要なもので、申請書類の取りまとめ期限から逆算すると、10月23日(金)が弊社でお待ちできる最終の日付となります。
期日までにご提出いただけない場合、今回の申請は見送り、次回の申請時期に改めてご相談させていただくことになります。

本日夕方、高橋様のお電話にもご連絡いたします。ご不在の場合は、折り返しのお電話か、本メールへのご返信をいただけますと幸いです。

何かご事情がおありでしたら、提出方法や範囲のご相談にも応じますので、お気軽にお知らせください。

よろしくお願いいたします。

2回目と3回目で表現をどう変えるか

伝える内容 2回目の表現 3回目の表現
前回への言及 10月1日にお送りしたメールについて、改めてご連絡いたしました 10月1日と10月9日にご依頼しておりましたが
期限 10月16日までにお願いできますでしょうか 10月23日が弊社でお待ちできる最終の日付となります
返事の求め方 状況だけでもお知らせいただけますと助かります ご提出が難しい場合も、その旨を期日までにお知らせください
連絡手段 (メールのみ) 本日、お電話でもご連絡いたします

どちらの回でも、「何度もお願いしているのに」「まだですか」といった、相手の対応を評価する言葉は入れません。経緯の日付を並べるだけで、状況は十分に伝わります。

電話など別の手段に切り替える判断

メールだけで催促を続けるより、別の手段を使ったほうがよい場面があります。

  • メールが届いていない、または埋もれている可能性を否定できない
  • 期限が迫っていて、メールの返事を待つ余裕がない
  • 相手がふだんはチャットや電話で連絡してくる
  • 担当者が異動・退職している可能性がある

電話をかけるときは、用件を短く伝え、メールを送った日付と件名を伝えます。担当者がつかまらない場合は、代表番号や部署の窓口に、担当者宛ての連絡があったことを伝えてもらうよう頼みます。

電話で話がついた場合も、通話後に「お電話でお話しした内容の確認です」として、合意した期限などをメールで送っておきます。言った・言わないの行き違いを防げます。

上長や関係者をCCに入れる判断

CCに誰を入れるかで、受け取る側の印象は大きく変わります。自社の上長を入れる場合と、相手側の上長を入れる場合は分けて考えます。

自社の上長をCCに入れる場合

  • 期限後の対応(申請の見送り、取引条件の見直しなど)を組織として判断する必要があるとき
  • 3回目のメールの内容を、上長が把握しておく必要があるとき

自社の上長をCCに入れることは、相手にとっては「組織として扱われている案件」という合図にもなります。送る前に、上長に経緯を報告して了承を得ておきます。

相手側の上長や関係者をCCに入れる場合

  • 担当者が不在、または異動している可能性がある
  • 担当者だけでは判断できない内容で、組織として対応してもらう必要がある
  • 期限を過ぎると、相手の組織にも影響が出る

相手側の上長を入れると、担当者は自分の対応が上司に伝わったと受け取ります。関係への影響が大きいため、自社の上長と相談してから決めます。可能であれば、2回目の時点で「次回のご連絡では、〇〇様にも共有させていただく場合がございます」と予告しておくと、突然の印象を和らげられます。

CCが入ったメールは、第三者が読むことを前提に書きます。経緯は日付と事実だけにし、担当者の対応を評価する言葉は入れません。

期限後の対応を書くときの注意

  • 実行することが決まっている内容だけを書く:相手を動かすためだけに、実行する予定のない対応を書くのは避けます。
  • 社内で合意してから書く:取引の見直しや申請の見送りなど、自分ひとりで決められない内容は、上長や関係部署と合意してから書きます。
  • 契約や支払いに関わる措置に触れる場合は、事前に確認する:遅延損害金や取引停止、法的な手続きなどに触れる場合は、契約の内容を確認し、社内の担当部署や専門家に相談してから文面を決めます。

催促の経緯を記録しておく

2回目・3回目の催促では、これまでの連絡の日付を正確に書く必要があります。最初の催促から、次のような記録を残しておきます。

回 日付 手段 宛先・CC 内容の要点 相手の反応
1 10月1日 メール 高橋様 〇〇資料の提出依頼(期限10月9日) なし
2 10月9日 メール 高橋様 再送、期限10月16日 なし
3 10月19日 メール+電話 高橋様、CC:弊社 山本課長 最終期限10月23日 電話は不在、伝言を依頼

この記録があれば、3回目のメールに日付を正確に書けます。担当が途中で代わったときの引き継ぎや、上長への報告にもそのまま使えます。

送信前のチェック

  • 前回のメールが届いているか、相手が不在でないかを確かめた
  • 前回の送信日と件名(3回目ならすべての日付)を書いた
  • 依頼の内容を本文に再掲した
  • 期限を具体的な日付で書き、3回目では理由も書いた
  • 期限後の対応は、実行することが決まっている内容だけを書いた
  • 別の連絡手段を使うかどうかを決めた
  • CCに入れる人について、社内の了承を得た
  • 相手の対応を評価する言葉が入っていない

催促の回数が増えるほど、感情が文面に出やすくなります。強めるのは言葉ではなく、期限の具体性、連絡の経路、共有の範囲だと決めておくと、関係を保ったまま返事を引き出しやすくなります。

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