社内で催促するとき、相手の返事が遅れている理由はたいてい分かりません。忘れているだけかもしれませんし、判断に迷っているのかもしれません。ほかの仕事を優先しているだけのこともあります。理由が分からないまま「まだでしょうか」と送ると、どの理由にも合わない文面になってしまいます。
角を立てないために丁寧な言葉を重ねる必要はありません。相手が次に何をすればよいかを1通で分かるようにすることのほうが大事です。この記事では、上司・他部署・同僚に承認、回答、提出物を催促するときの文面と、チャットとメールの使い分け、CCの付け方、上長を通すタイミングをまとめます。
送る前に確認する3つのこと
催促する前に、自分の側に原因がないかを先に見ておきます。
- 元の依頼はいつ、どこで送ったか:チャットのスレッドか、メールか、ワークフローのコメント欄か。日時とあわせて控えておきます。
- 期限を相手に伝えていたか:伝えていなかったなら、送るのは催促ではなく「期限のお知らせ」です。文面もその前提で書きます。
- 相手が返答できない事情がないか:資料が足りない、宛先が違う、承認ルートが変わっていた、などです。これに当てはまるなら、催促より先に依頼をやり直します。
チャットかメールかの選び方
基本は、最初に依頼したのと同じ場所に返すことです。場所が変わると、相手は元の依頼を探すところから始めることになります。
| 状況 | 向いている手段 |
|---|---|
| 元の依頼をチャットで送った | 同じスレッドに返信する |
| 承認や正式な回答で、記録を残す必要がある | メール、またはワークフロー上のコメント |
| 相手が普段チャット中心で動いている | チャット |
| 他部署の窓口や複数人が関わる | メール、または部署の共有チャンネル |
| 期限が今日中で急ぐ | チャットで送り、必要なら直接声をかける |
やむを得ず場所を変えるときは、元のメッセージへのリンクを付けるか、依頼文を引用して「どの件か」がすぐ分かるようにします。
催促の文面に入れる4つの要素
- 何の件か:件名や依頼日など、元の依頼を特定できる情報
- 何をしてほしいか:承認、回答、提出のどれか。「OKかどうかだけ」のように、返答の形まで示すと相手が動きやすくなります
- いつまでに、なぜその期限か:後ろの工程や社外への回答期限など、期限の理由
- 動けない場合の逃げ道:「難しければ見込みの日だけでも」「担当が別の方なら教えてください」
反対に、次のような書き方は避けたほうが無難です。
- 「至急」「まだでしょうか」だけで、何をいつまでにしてほしいかが書かれていない
- 「何度もすみませんが」「先日もお伝えしましたが」など、相手の遅れを強調する前置き
- 理由のない期限。相手は優先順位を判断できません
例文:上司に承認を催促する
上司への催促では、承認しやすくする情報を添えるのがポイントです。気になる点があれば直す、という姿勢を一緒に示します。
チャットの場合
〇〇さん、10/2にお送りした△△社向け見積の承認の件です。
先方への回答期限が10/9(金)のため、10/8(木)中に承認いただけると助かります。
内容で気になる点があれば修正して再提出しますので、お知らせください。
メールの場合
件名:【ご承認のお願い】△△社向け見積(10/8まで)
〇〇さん
10/2に承認をお願いした△△社向け見積の件です。
先方への回答期限が10/9(金)のため、10/8(木)中にご承認いただけますでしょうか。・見積書:(ファイル名またはリンク)
・前回からの変更点:なし金額や条件で確認が必要な点があれば、すぐに対応します。
例文:他部署に回答を催促する
他部署の担当者は、こちらの仕事の前後関係を知りません。期限の理由と、回答が必要な項目を具体的に書きます。
件名:【ご回答のお願い】新商品の在庫数確認(10/7まで)
物流部 〇〇様
営業部の△△です。9/30にお問い合わせした新商品の在庫数について、改めてご確認のお願いです。
10/8の販売会議で出荷計画を決めるため、10/7(水)中にご回答いただけると助かります。ご回答いただきたいのは次の2点です。
- 品番A-100の現在の在庫数
- 10月中の入荷予定の有無
正確な数が難しい場合は、おおよその数でも構いません。
担当が別の方でしたら、お名前を教えていただけますでしょうか。>(9/30の依頼メールを引用)
例文:同僚に提出物を催促する
同僚には短く送ってかまいません。ただし期限と提出先は省きません。
〇〇さん、月次報告の担当分の件です。明日10/7の12時にまとめて部長へ送るので、それまでに共有フォルダの「10月」に入れてもらえると助かります。間に合わなそうなら、何時ごろになりそうかだけ教えてください。
CCとメンションの付け方
CCに誰を入れるかで、受け取る側の印象は大きく変わります。
- 上司への催促:原則としてCCは付けません。上司の上司を入れると、頭越しの報告と受け取られやすくなります。
- 他部署への初回の催促:相手部署の共有窓口や、元の依頼に入っていた人までにとどめます。最初の催促で相手の上長をCCに入れると、「上に言いつけられた」と感じさせることがあります。
- 自分の上司をCCに入れる場合:進行管理のために必要なときだけにします。理由を1行添えておくと誤解されにくくなります。
- 例:「進行管理のため、営業部の□□にも共有しています。」
- チャットのメンション:返答してほしい人だけをメンションします。チャンネル全員へのメンションは、関係のない人の手を止めてしまいます。
上長を通すタイミング
上長に相談するかどうかは、催促の回数で機械的に決めるより、影響と権限で判断するほうが自然です。次のどれかに当てはまったら、自分の上司への相談を考えます。
- 期限を過ぎると、後ろの工程や社外への約束に影響が出ることがはっきりした
- 相手部署の中で優先順位を決め直す必要があり、担当者だけでは判断できない
- 依頼の内容が、相手担当者の権限を超えている
- 自分の上司から、その件の進み具合を聞かれた
通し方の順番は次のとおりです。
- まず自分の上司に、経緯と影響を伝えて相談する
- 相手部署の上長への連絡は、自分の上司から入れてもらう。または、相手の担当者に「上長の方にもご相談してよいですか」と一声かけてから連絡する
自分の上司への相談は、次のように事実だけを短く伝えます。
□□さん、物流部への在庫数確認の件でご相談です。
9/30に依頼し、10/6に再度お願いしましたが、まだ回答がありません。
10/8の販売会議で出荷計画が決められなくなるため、物流部の課長に優先度をご相談いただくことは可能でしょうか。
これまでのやり取りは下に貼っています。
送る前のチェックリスト
- 元の依頼の日付と、どの件かが分かる名前を入れた
- 承認・回答・提出のうち、何をしてほしいかを書いた
- 期限と、その期限になっている理由を書いた
- 難しい場合の返し方(見込みだけ・担当者の紹介)を添えた
- 元の依頼と同じ場所に送るか、元の依頼へのリンクや引用を付けた
- CCとメンションは、必要な人だけにした
- 「何度も」「至急」など、相手を責める言葉だけで終わっていない
