AI校正は便利ですが、誤字だけ直したかったのに数字や意味まで変わると困ります。依頼前に『変更してよい範囲』と『触らない範囲』を分けます。

この記事では、誤字・読みやすさ・トーンなど、許可した範囲だけをAIに直させる方法を整理します。「校正を頼んだら意味や事実まで変わってしまうのが怖い」という場合に向けた内容です。

先に結論

依頼文に 「直してよいこと」と「直してはいけないこと」を両方書き、修正版と一緒に 変更点一覧 を出させます。最後に原文と差分を比べ、許可していない変更があれば元に戻します。

手順

  1. 原文を保存する。
  2. 修正対象を、誤字・表記統一・読みやすさ・敬語などから選ぶ。
  3. 数値・固有名詞・引用・契約条件など変更禁止項目を指定する。
  4. 修正版だけでなく、変更点一覧も出させる。
  5. 差分を原文と照合し、意図していない変更を戻す。

範囲を限定する依頼文の例

以下の【本文】を校正してください。

【直してよいこと】
- 誤字・脱字
- 表記の統一(例:「お問合せ」→「お問い合わせ」)

【直してはいけないこと】
- 数字・金額・日付・割合(「約」「程度」なども付け足さない)
- 人名・会社名・商品名
- 「」で囲んだ引用部分
- 否定や条件の表現(「〜しない」「〜の場合に限り」など)
- 文の順番と段落の構成

【出力形式】
1. 修正後の全文
2. 変更点一覧(変更前 → 変更後 → 理由)の表
3. 直したほうがよいと思うが、許可範囲外なので直さなかった箇所(あれば)

【本文】
(ここに原文を貼る)

読みやすさや敬語も直してほしい場合は、【直してよいこと】に「一文が長すぎる箇所の分割」「敬語の誤りの修正」のように具体的に追加します。「自然にして」「読みやすくして」だけだと、AIが言い換えや要約まで行うことがあります。

文章の一部だけ絶対に触らせたくない場合は、その部分を「【変更禁止ここから】〜【変更禁止ここまで】」のように囲み、依頼文にも「囲んだ部分は1文字も変えない」と書いておきます。

差分の確認方法

  • Wordを使う場合は、原文と修正版を別ファイルで保存し、「校閲」タブの「比較」で変更箇所を表示する。
  • テキストの場合は、テキスト比較(diff)ツールに原文と修正版を貼り付けて比べる。
  • AIが出した変更点一覧だけを信用せず、実際の差分と一覧が一致しているかも確認する。一覧に載っていない変更が見つかったら、その箇所は原文に戻す。

実務での確認チェック

  • [ ] 数字
  • [ ] 人名/会社名
  • [ ] 日付
  • [ ] 引用
  • [ ] 条件・否定表現
  • [ ] 変更禁止部分

具体例

「売上は12万円でした」を読みやすくして、と頼んだ結果が「約12万円」に変わった場合、意味が変わっています。文章の自然さより事実保持を優先します。

よくある失敗

  • 「いい感じに直して」とだけ頼み、言い換えや要約まで行われる。
  • 修正版だけを受け取り、どこが変わったかを確認しない。
  • 原文を保存せずにAIの修正版で上書きし、比べられなくなる。
  • 「〜しない」が「〜する」に、「〜の場合に限り」が削られるなど、否定や条件の変化を見落とす。

許可範囲の判断例

変更前 変更後 判断
「お問合せください」 「お問い合わせください」 OK(表記の統一)
「売上は12万円でした」 「売上は約12万円でした」 NG(数字の意味が変わる)
「土日は対応しません」 「土日も対応します」 NG(否定が変わる)
「株式会社ABC」 「ABC社」 NG(固有名詞の変更)
「確認させていただきます」 「確認いたします」 敬語の修正を許可した場合のみOK

このページでは扱わないこと

文章に書かれた内容が事実として正しいかをAIで確かめる方法(事実確認)は扱いません。このページは、校正で変更される範囲を限定することに絞っています。

次に確認するページ

  • AI業務の安全な使い方の記事一覧
  • 関連する実務ツール

参考

  • デジタル庁 生成AIに関するガイドライン 2.0
  • 経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン」1.2

確認日: 2026-09-28

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