共有フォルダやPCのフォルダは、最初は整っていても、数か月たつと「どこに入れたか分からない」「同じファイルが3か所にある」という状態になりがちです。原因の多くは、2つあります。人によってフォルダの分け方が違うことと、終わった案件が作業中のフォルダに残り続けることです。

この記事では、次の4つを決め、定期的に整理する手順までをまとめます。

  • 最上位の階層を何で分けるか(取引先・年度・業務)
  • 階層を何段までにするか
  • フォルダ名をどう付けるか
  • 作業中の案件と完了した案件をどう分けるか

ファイル名の付け方とバックアップの方法は、それぞれ別に決めたほうが整理しやすいため、ここでは扱いません。

最上位の階層は「取引先・年度・業務」から1つ選ぶ

フォルダ構成でいちばん影響が大きいのは、最上位を何で分けるかです。主な選択肢は次の3つです。

最上位の分け方 向いている仕事 弱いところ
取引先別 取引先ごとに案件が続く仕事(受託、顧問、制作など) 年度をまたいでファイルがたまり、古い資料に埋もれやすい
年度別 年単位で区切る仕事(経理、年次の報告など) 何年も続く取引先の資料を追うとき、年度のフォルダを行き来することになる
業務別 担当や作業の種類が分かれている仕事(営業・経理・総務など) 1つの取引先の資料が、複数の業務フォルダに分かれる

選ぶときは、「あのファイルどこ?」と聞かれたときに、最初に口にする言葉を最上位にします。「山田商事の見積書」と言うことが多いなら取引先別、「去年の請求書」なら年度別、「経理の資料」なら業務別が合っています。

1つの軸だけで足りない場合は、2段目から別の軸を組み合わせます。

例1:業務別 → 年度 → 取引先(経理のように年で区切る業務)
01_経理
  2026年度
    山田商事
    鈴木工業

例2:取引先別 → 案件(受託や制作のように取引先単位で動く業務)
山田商事
  2026-04_ホームページ改修
  2026-09_パンフレット制作

大事なのは、同じ階層に別の軸を混ぜないことです。たとえば最上位に「山田商事」「2025」「経理」が並んでいると、どこに入れるかが人によって変わってしまいます。

階層は3段まで、多くても4段に抑える

階層が深いと、目的のフォルダを開くまでのクリックが増えます。それだけでなく、「この資料は2段目と3段目のどちらに入れるか」という迷いも増えます。フォルダ名とファイル名を合わせたパス全体が長くなり、保存・コピー・同期でエラーになることもあります。

目安として、最上位から数えて3段まで、多くても4段までと決めておくと扱いやすくなります。

4段を超えそうなときは、次の方法で浅くできないか考えます。

  • 年や月の違いは、フォルダを作らずにファイル名の日付で表す
  • 中身が数ファイルしかないフォルダは、1つ上の階層にまとめる
  • 「資料」「データ」のような、中身を想像しにくい中間フォルダをなくす

フォルダ名の付け方を決める

並び順を固定したいフォルダには番号を付ける

フォルダは名前順に並びます。業務の流れの順やよく使う順に並べたいときは、先頭に2桁の番号を付けます。

00_受信箱
10_見積
20_受注・契約
30_制作
40_納品
50_請求
90_完了

番号を10刻みにしておくと、あとから「25_仕様確認」のように間へ追加できます。

中身が分かる名前にする

次のような名前は避けます。

  • 「その他」「資料」「新しいフォルダー」:何が入っているか分からず、何でも入れられてしまう
  • 「田中」「田中用」などの人の名前:担当が替わると意味がなくなり、個人の作業場所になりやすい
  • 「最新」「新」「旧」:時間がたつと、どれが新しいのか分からなくなる

どうしても「その他」を作る場合は、何を入れてよいかを決めておきます。そのうえで、定期的な整理のたびに中身を見直します。

「年」と「年度」を区別する

「2026」と書いたとき、1〜12月の暦年なのか、4月始まりの年度なのかが分からないことがあります。どちらの意味かをルールに書いておきます。混ざりやすい場合は、「2026年度」「FY2026」のように名前でも明記します。

取引先名の略し方、区切り文字、使えない文字は、ファイル名のルールとそろえておくと、覚えることが減ります。

作業中の案件と完了した案件を分ける

終わった案件が作業中の案件と同じ場所に並んでいると、開くたびに完了済みのフォルダが目に入ります。作業中と完了は、置き場所で分けるのが確実です。

置き場所の分け方の例

進行中
  山田商事_2026-09_パンフレット制作
  鈴木工業_2026-10_展示会資料
完了
  2026
    山田商事_2026-04_ホームページ改修
  2025
    (前年に完了した案件)
  • 作業中の案件は「進行中」にだけ置く
  • 完了したら、案件フォルダごと「完了」の該当する年のフォルダへ移す
  • 「完了」の中は年で分け、古い年を見なくて済むようにする

案件はフォルダごと移すので、案件フォルダ名は「取引先_開始年月_案件名」のように、移したあとでも中身が分かる名前にしておきます。

「完了」の条件を決める

いつ移すかが人によって違うと、終わった案件が作業中のフォルダに残ります。移すタイミングを、たとえば次のように決めます。

  • 納品が終わり、請求書を送った時点で移す
  • 入金を確認した時点で移す
  • 保守や問い合わせが続く案件は、契約が終わるまで「進行中」に置く

移すときの注意

フォルダを移動すると、そのフォルダを指していたショートカット、ほかのブックからのリンク、手順書に書いた場所などが使えなくなることがあります。共有リンクが移動後も使えるかどうかは保存先のサービスによって違うため、公式ヘルプや実際の動作で確認してください。よく参照する資料は、完了後も場所を変えない「共通資料」フォルダに置く方法もあります。

一時置き場は1か所だけにする

ダウンロードしたファイルやメールの添付をとりあえず保存する場所が、デスクトップ、ダウンロードフォルダ、共有フォルダの直下などに散らばっていると、探す場所が増えます。

一時置き場を「00_受信箱」のように1か所だけ決め、次のルールを付けます。

  • 受信箱のファイルは、週1回など決めた頻度で正しい場所へ移すか、削除する
  • 受信箱にあるファイルを直接編集しない(正しい場所へ移してから作業する)
  • 共有フォルダの最上位には、ファイルを直接置かない

同じファイルを複数の場所に置かない

「取引先別にも業務別にも入れておきたい」と、同じファイルをコピーして2か所に置くと、片方だけが更新され、どちらが正しいのか分からなくなります。

  • ファイルの正本は1か所にだけ置く
  • 別の場所からも開きたい場合は、ショートカットや共有リンクを使う
  • 人に渡すために複製したファイルは、送付用の一時フォルダに置き、作業用のファイルと分ける

定期的に整理する手順

月1回など日を決めて、次の順番で見直します。受信箱にファイルをためていなければ、短い時間で終わります。

  1. 受信箱を空にする:残っているファイルを正しい場所へ移すか、不要なら削除する
  2. 完了した案件を移す:完了の条件を満たした案件フォルダを、「完了」の該当する年のフォルダへ移す
  3. 重複したコピーを探す:名前に「コピー」「(1)」が付いたファイルや、同じ名前のファイルを確認し、正本以外を整理する
  4. 空のフォルダと中身の少ないフォルダを見直す:使っていないフォルダは削除し、数ファイルしかないフォルダは上の階層にまとめられないか考える
  5. 「その他」の中身を確認する:同じ種類のファイルが増えていたら新しいフォルダを作り、ルール表に追記する
  6. 年の切り替えに備える:新しい年や年度が始まる前に、全員が同じ名前で使えるよう、新しい年のフォルダを先に作っておく

削除は、本当に不要か確認してから行います。削除する前に控えを残すかどうかは、バックアップの運用ルールに合わせてください。

フォルダ管理のルール表(記入例)

決めたことは1枚の表にまとめ、共有フォルダの最上位など、新しく加わった人もすぐに見られる場所に置きます。

項目 決めたこと
最上位の分け方 業務別(01_経理、02_営業、03_総務)
2段目からの分け方 経理は年度→取引先、営業は進行中/完了→案件
階層の上限 3段まで(例外でも4段まで)
番号の付け方 業務フォルダに2桁の番号を10刻みで付ける
年の表し方 4月始まりの年度で、「2026年度」と書く
完了の条件 請求書を送ったら、営業の「完了」の年フォルダへ案件ごと移す
一時置き場 00_受信箱だけ。毎週金曜に空にする
使わない名前 その他、資料、新しいフォルダー、個人名、最新・旧
定期的な整理 毎月第1営業日。担当:〇〇
迷ったとき 管理担当に確認し、決まったことをこの表に追記する

よくある崩れ方と直し方

起きていること 主な原因 直し方
同じファイルが複数の場所にある 「両方に置いておきたい」とコピーした 正本を1か所に決め、ほかはショートカットやリンクにする
最新版が個人のデスクトップにある 一時置き場で作業を続けた 正しい場所へ移してから作業するルールにする
階層が深すぎて開くのに時間がかかる 細かい分類ごとにフォルダを作った 日付などの区別はファイル名に任せ、フォルダをまとめる
「その他」がいちばん大きい 分類に迷ったものを全部入れた 中身を見て新しい分類を作り、ルール表に追記する
完了した案件が進行中に残っている 完了の条件が決まっていない 完了の条件を決め、定期的な整理の手順に入れる
おすすめの記事