見積書を受け取り、その内容で発注すると決めたら、相手に正式な依頼を送ります。このとき「見積もりの件、お願いします」だけで済ませると、どの見積書のどの条件で頼んだのかがあとで分からなくなります。その結果、請求や納品の段階で食い違いが起きやすくなります。

発注メールでは、見積書を番号で特定したうえで、金額・数量・納期・支払条件も本文に書きます。こうしておけば、双方が同じ条件を見ていることを確かめられます。

発注する前に見積書で確かめること

項目 確かめる点
見積書番号・発行日 最新の見積書か。再見積もりを受けた場合、古い版を見ていないか
有効期限 期限内か。切れていれば、同じ条件で受けてもらえるかを先に確認する
品名・仕様 依頼した仕様と一致しているか
数量・単価 発注する数量と一致しているか
金額 税抜か税込か、消費税額、送料や設置費などの諸費用が含まれているか
納期 特定の日付か、発注日から何日後か。出荷日か納品日か
納品場所 届け先の住所と担当者
支払条件 締め日、支払日、支払方法(振込など)、前払いの有無
その他の条件 検収の方法、保証、キャンセルの扱いなど、備考欄に書かれていること

見積書と違う条件で発注したいとき(数量を変える、納期を早めるなど)は、発注メールの中で条件を書き換えないでください。先にその条件で受けてもらえるかを確認するか、見積書を出し直してもらいます。発注メールで一方的に条件を変えると、相手の受注確認と食い違う原因になります。

社内で発注の承認や稟議が必要な場合は、承認を受けてから送ります。

発注メールの構成

  1. 件名:発注であることと見積書番号が分かるようにする
  2. 発注の意思:見積書の内容で正式に発注すると伝える
  3. 見積書の特定:見積書番号と発行日
  4. 発注内容:品名・数量・金額・納期・納品場所・支払条件
  5. 注文書の扱い:添付するか、別に送るか、相手の指定書式があるか
  6. 受注確認の依頼:受注したことを返信で知らせてもらう

例文1:見積書の内容どおりに発注する(基本)

件名:発注のご連絡(御見積書No.Q-2026-0153)

株式会社○○
営業部 ○○様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はお見積書をお送りいただき、ありがとうございました。

下記のお見積書の内容で、正式に発注いたします。

■お見積書:No.Q-2026-0153(10月1日発行)
■品名:業務用プリンター B-500
■数量:2台
■金額:400,000円(税抜)/消費税40,000円/合計440,000円
 ※設置費・送料を含む(お見積書記載のとおり)
■納期:10月30日(金)納品
■納品場所:東京都○○区○○1-2-3 株式会社△△ 総務部
■支払条件:月末締め翌月末日払い、銀行振込

注文書を本メールに添付しております。

お手数ですが、お受けいただけるかどうかを
10月9日(金)までにご返信いただけますでしょうか。

内容に相違がございましたら、お知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。

金額は「税抜・消費税・合計」に分けて書くと、請求書と照らし合わせやすくなります。送料や設置費などの扱いも、見積書の記載に合わせて一言添えておきます。

例文2:注文書の書式を相手に確認する

相手が指定の注文書(注文請書とセットになった書式など)を使っている場合や、注文書が必要かどうか分からない場合は、メールで確認します。

件名:発注のご連絡(御見積書No.Q-2026-0153)

(発注内容は例文1と同じ)

正式な注文書が必要でしたら、ご指定の書式があるか
お知らせください。ご指定がない場合は、弊社の書式で
注文書をお送りいたします。

あわせて、受注のご確認をいただけますと幸いです。

注文書がいらない取引でも、発注メールは発注内容の記録になります。取引の内容によっては、発注内容を書面や電子データで示すことが法令で求められる場合があります。注文書が必要かどうかは、自社の購買ルールや担当部署の指示に従ってください。

例文3:見積書の一部の項目だけを発注する

見積書に複数の項目があり、その一部だけを発注するときは、発注する項目と見送る項目をはっきり書き分けます。

件名:発注のご連絡(御見積書No.Q-2026-0153の一部)

株式会社○○
営業部 ○○様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。

お見積書No.Q-2026-0153(10月1日発行)のうち、
下記の項目を発注いたします。

■発注する項目
 1. 業務用プリンター B-500 2台 400,000円(税抜)
 2. 設置作業 一式 30,000円(税抜)
■今回は見送る項目
 3. 保守契約(年間)

■金額:430,000円(税抜)/消費税43,000円/合計473,000円
■納期・納品場所・支払条件:お見積書記載のとおり

一部の項目のみの発注となりますので、上記の金額と納期で
お受けいただけるかをご確認のうえ、ご返信いただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

見積もりは、すべての項目をまとめて発注する前提で計算されていることがあります。一部だけの発注で単価や納期が変わらないか、受注確認の返信で確かめておきましょう。

受注確認の返信が来たら

  • 返信に書かれた品名・数量・金額・納期が、発注メールと一致しているかを照らし合わせます。
  • 注文請書が届いたら、注文書と一緒に保管します。
  • 指定した日までに返信がなければ、メールが届いているかを確認する連絡を入れます。納期が迫っている場合は電話も併用します。

よくある食い違い

食い違い 原因 防ぎ方
請求額が想定より高い 税抜と税込の取り違え、送料や諸費用の見落とし 税抜・消費税・合計と、諸費用の扱いを本文に書く
納品が想定より遅い 「発注後○営業日」をいつから数えるかの解釈違い できれば具体的な日付で書き、受注確認で確かめる
古い条件で処理された 再見積もり前の見積書番号を書いた 最新の見積書番号と発行日を書く
支払日が違う 支払条件を確かめずに発注した 締め日・支払日・支払方法を本文に書く

送信前チェックリスト

  • 社内の承認を受けた
  • 最新の見積書の番号と発行日を書いた
  • 見積書の有効期限内である
  • 品名・数量・金額(税抜・消費税・合計)が見積書と一致している
  • 送料や設置費などの扱いを確かめた
  • 納期と納品場所を書いた
  • 支払条件を書いた
  • 注文書を添付したか、必要かどうかを確認する一文を入れた
  • 受注確認の返信を、期限を付けて依頼した
おすすめの記事