資料の添付忘れ、打ち合わせ日時の取り違え、返信の放置。自分のミスで相手に迷惑をかけたとき、お詫びメールで相手が知りたいのは、謝罪の言葉の多さではありません。「何が起きたのか」「自分は何かする必要があるのか」「今後は大丈夫なのか」です。
この記事では、自分の側のミスを謝るメールを、4つの要素で1通にまとめる書き方を説明します。
お詫びメールに入れる4つの要素
| 順番 | 要素 | 書くこと |
|---|---|---|
| 1 | 起きたこと | いつ、何を、どう間違えたか(確認できた事実だけ) |
| 2 | 相手への影響 | 相手にどんな手間や不都合が出たか、これから出るか |
| 3 | 対応済みのこと | すでにしたこと、これからすることとその期限、相手にお願いすること |
| 4 | 再発防止 | 次から何を変えるか |
この順番にするのは、相手が知りたい順番だからです。相手はまず何が起きたかを知り、次に自分への影響と今の状況を確かめ、最後に今後について読みます。原因や反省を冒頭で長く書くと、相手は「それで、どうなったのか」を探しながら読むことになります。
お詫びの言葉は、冒頭(起きたことの直後)と結びに1回ずつ入れれば十分です。何度も重ねると、肝心の内容が埋もれます。
件名の付け方
件名だけで「お詫びであること」と「何の件か」が分かるようにします。再送などの対応を含む場合は、それも件名に入れます。
- 【お詫び・再送】〇月〇日にお送りした見積書について
- 【お詫び】〇月〇日のお打ち合わせ日時の取り違えについて
- 【お詫び】〇〇の件のご返信が遅くなりました
これまでのやり取りに返信する形で送る場合は、元の件名を残したまま、先頭に【お詫び】などを付けます。相手が前のメールと結びつけて読めるためです。
基本の型
件名:【お詫び】(何の件か)について
(相手の会社名)
(相手の氏名)様
お世話になっております。(自社名)の(自分の名前)です。
(いつ・何について)、私の(確認不足/手違い)により、(起きたこと)。
大変申し訳ございません。
(相手への影響)。
(対応済みのこと)。
(これから行うことと、その期限)。
(相手にお願いしたいこと。なければ「〇〇様に追加でご対応いただくことはございません」)
今後は、(具体的に変えること)ようにいたします。
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
引き続きよろしくお願いいたします。
(署名)
相手にしてもらうことがない場合も、「ご対応いただくことはございません」と書いておくと、相手は何かすべきかを迷わずに済みます。
言い訳に見えない書き方
原因を書くこと自体は問題ありません。言い訳に見えるのは、主語が自分以外になっているとき、状況のせいにしているとき、あいまいにぼかしているときです。
| 言い訳に見えやすい書き方 | 書き換えの例 |
|---|---|
| 立て込んでおりまして、ご返信が遅くなりました | ご返信が3日遅くなり、申し訳ございません |
| 添付したつもりでしたが、漏れていたようです | 見積書を添付しないまま送信しておりました |
| 日程が途中で変更になっていたため | 変更後の日時を、私が予定表に反映しておりませんでした |
| 念のため、内容に問題がないかご確認いただけますと幸いです | 内容は私の方で再確認し、金額と納期に誤りがないことを確認しております |
| 今後このようなことがないよう気をつけます | 今後は、送信前に本文に書いた添付ファイル名と実際の添付を照合します |
書くときのポイントは次のとおりです。
- 「〜ようです」「〜つもりでした」は避ける。事実を確認できているなら、言い切る
- 原因は1文にとどめる。相手に関係のない社内事情や忙しさは書かない
- 相手に確認を任せる書き方をしない。確認は自分で済ませ、その結果を書く
再発防止は「何を変えるか」を1つ書く
「気をつけます」「注意いたします」だけでは、何が変わるのかが相手に伝わりません。次の点を意識すると、具体的な一文になります。
- 心がけではなく、行動で書く(「照合する」「予定表に入れる」「当日中に連絡する」など)
- 自分の判断で確実にできることだけを書く。社内の体制づくりなど、まだ決まっていないことは約束しない
- 小さくても、そのミスに直接効くことを書く
| ミスの種類 | 再発防止の例 |
|---|---|
| 添付・送付の漏れ | 送信前に、本文に書いた添付ファイル名と実際の添付を照合する |
| 日時の取り違え | 日時が決まった時点で、受け取ったメールと予定表の登録内容を見比べる |
| 返信の遅れ | すぐに答えられない問い合わせには、当日中に回答予定日を伝える |
例文
例1:資料の添付漏れ
件名:【お詫び・再送】本日お送りした見積書について
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。△△の□□です。
本日10時にお送りした「お見積書送付の件」のメールで、見積書のファイルを添付しないまま送信しておりました。大変申し訳ございません。
ご確認のお時間をいただいていたにもかかわらず、資料をご覧いただけない状態にしてしまいました。
本メールに見積書(見積書_〇〇様.pdf)を添付しております。
内容は、前回のメール本文でご案内した金額・納期から変更ありません。
今後は、送信前に本文に書いた添付ファイル名と、実際の添付ファイルを照合してから送るようにいたします。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
引き続きよろしくお願いいたします。
例2:打ち合わせ日時の取り違え
件名:【お詫び】本日のお打ち合わせ日時の取り違えについて
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。△△の□□です。
本日14時からお約束していたオンラインでのお打ち合わせについて、私が予定表に15時と誤って登録しており、お時間に参加できませんでした。
お時間を確保いただいたうえ、お待たせしてしまい、誠に申し訳ございません。
改めてお打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか。
下記の候補から、ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
・〇月〇日(〇)10:00〜11:00
・〇月〇日(〇)15:00〜16:00
・〇月〇日(〇)13:00〜14:00
いずれも難しい場合は、ご都合のよい日時をお知らせください。こちらで合わせます。
今後は、日時が決まった時点で、いただいたメールの日時と予定表の登録内容を見比べて確認いたします。
このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
相手を待たせてしまった場合は、気づいた時点でまず電話やチャットで一言謝り、そのうえで記録としてメールを送るほうが、相手の時間をさらに奪わずに済みます。
例3:返信の遅れ
件名:Re: 〇〇の仕様について【お詫び・ご回答】
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。△△の□□です。
〇月〇日にいただいたご質問へのご返信が、本日まで遅くなってしまいました。
ご質問を拝見したあと、返信しないまま失念しておりました。申し訳ございません。
ご回答をお待ちいただき、ご予定の判断にも影響が出ていたことと存じます。
ご質問への回答は以下のとおりです。
(回答)
今後は、すぐにお答えできないご質問には、その日のうちに回答予定日をお伝えするようにいたします。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
返信が遅れたときは、お詫びだけを先に送るのではなく、遅れていた回答そのものを同じメールに入れます。回答にまだ時間がかかる場合は、いつ回答するかを書きます。
メールだけで済ませないほうがよい場合
- 相手が今まさに困っている・待っている:先に電話やチャットで伝え、メールは記録として送る
- 相手の社内や取引先にも影響が出た:相手が周囲に説明できるよう、日時・事実・対応を整理して書く
- 自社の上司への報告が必要な規模:送る前に相談し、必要に応じて上司をCCに入れる
- 何が起きたのか全体がまだ分からない:分かっている事実と、続報を送る時期を先に伝える。推測で原因を書かない
なお、送った金額や日付そのものに誤りがあった場合の訂正、相手からの苦情への返信、納期に間に合わないときの連絡は、それぞれ訂正内容・事実確認・新しい期限が中心になるため、書き方の重点が変わります。
送信前のチェック
- 起きたことを、推測ではなく確認した事実で書いている
- ミスの主語が自分になっている
- 相手への影響を書いている
- 対応済みのことと、これからすることの期限を書いている
- 相手にしてほしいことがあるかないかを書いている
- 再発防止が「気をつけます」ではなく、具体的な行動になっている
- 再送する添付ファイル・日時・宛先に、新たな誤りがない
