通常の減価償却へ進むことが決まったら、取得価額だけでなく、耐用年数・償却方法・その年に業務で使った月数をそろえて計算します。

このページは一般的な制度確認のための整理です。個別の税務判断を自動確定するものではありません。2026年9月29日時点で国税庁の一次資料を確認しています。

先に確認すること

  1. 取得価額を確定する。
  2. 資産の種類から法定耐用年数を確認する。
  3. 取得日と資産区分から使える償却方法を確認する。
  4. その年に業務で使用した月数を確認する。
  5. 償却率を使って当年分を計算し、期末未償却残高を更新する。

重要な制度ポイント

1. 定額法では、各年の償却費を「取得価額 × 定額法の償却率」で計算します。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.2106

2. 定率法では、各年の償却費を「期首の未償却残高 × 定率法の償却率」で計算します。

ただし、この計算額が償却保証額に満たなくなった年からは、「改定取得価額 × 改定償却率」で計算します。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.2106

3. 年の途中で取得または取壊し等をした場合は、その年に業務に使用していた月数を反映します。

1年分の償却費に「業務に使用していた月数 ÷ 12」を掛けて計算します。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.2106

4. 法定耐用年数は耐用年数省令の別表で定められています。

償却率は、その資産の耐用年数と償却方法に対応するものを使います。

根拠: 国税庁 タックスアンサーNo.2106

計算手順

手順1:入力値をそろえる

項目 確認すること
取得価額 購入代価に、運賃・購入手数料など業務に使うまでに直接かかった費用を含めたか
取得日 使える償却方法・償却率は取得日によって変わることがある
業務に使い始めた日 その年の使用月数の起点になる
法定耐用年数 資産の種類・用途から耐用年数省令の別表で確認したか
償却方法 その資産で使える方法か(資産によって選べる方法が異なる)
その年の業務使用月数 年の途中で使い始めた年・手放した年は12か月にならない

手順2:1年分の償却費を出す

  • 定額法:取得価額 × 定額法の償却率
  • 定率法:期首の未償却残高 × 定率法の償却率(償却保証額を下回った年からは、改定取得価額 × 改定償却率)

手順3:その年の使用月数で按分する

1年分の償却費 × その年の業務使用月数 ÷ 12

手順4:期末の未償却残高を更新する

期首の未償却残高 − その年の償却費 = 期末の未償却残高

定率法では、この期末の未償却残高が翌年の計算の基礎になります。

計算例

国税庁No.2106で例示されている数値(取得価額1,000,000円、耐用年数10年、定額法の償却率0.100、定率法の償却率0.200)を使います。実際の償却率は、取得日と耐用年数に対応するものを確認してください。

定額法の場合

  • 1月から12か月使用した年:1,000,000円 × 0.100 = 100,000円
  • 7月1日に使い始めた年(7〜12月の6か月):1,000,000円 × 0.100 × 6 ÷ 12 = 50,000円

定率法の場合(1年目から12か月使用)

  • 1年目:1,000,000円 × 0.200 = 200,000円 → 期末の未償却残高 800,000円
  • 2年目:800,000円 × 0.200 = 160,000円 → 期末の未償却残高 640,000円

3年目以降も同じ計算を続けますが、毎年、計算した金額が償却保証額を下回っていないかを確認します。下回った年からは改定取得価額 × 改定償却率に切り替えます。保証率・改定償却率は耐用年数ごとに定められているため、耐用年数表で確認します。

計算前チェック

  • 取得価額に付随費用の含め漏れがない
  • 業務に使い始めた日が分かる
  • 資産の種類と法定耐用年数を確認した
  • 取得日に対応する償却方法・償却率を使っている
  • 年の途中で使い始めた年に、12か月分をそのまま計上していない
  • 定率法では、前年の期末未償却残高を当年の計算の基礎にしている

記録として残すもの

手順1の入力値、使った償却率とその出典(耐用年数表のどの区分か)、計算した日を残します。後から記帳ミスや制度変更に気づいたとき、どの前提で計算したかを追えるようにするためです。

注意する境界

資産によって選べる償却方法が異なります。「全部定率法でよい」のように一括判断しません。

このページの計算例は、国税庁の例示数値を使った説明用です。実際の資産では、取得日・資産の種類に対応する償却率を確認してください。

参照した国税庁一次資料

  • 国税庁 タックスアンサーNo.2106: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2106.htm
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